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食中毒の変遷 A群レンサ球菌

228 2010年11月21日
食中毒の変遷 A群レンサ球菌
 11月13、14日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が横浜で開催され、横浜は警察の警備が厳重だったそうです。思い出すのは1997年5月福岡市で開催された国際会議の際に多くの警察が食中毒に罹った事件です。警備に従事してた警察官の多数に喉の痛み・発熱・倦怠感等の症状を訴え数名からA群レンサ球菌検出されました。警備期間中の共通食としてN社とS社の弁当があり、そのN社が私が勤務していた博多保健所管内にありました。

調査依頼が来たとき、「何? 弁当でA群レンサ球菌」と思いました。A群レンサ球菌の調査は始めてでした。当該弁当を収去し、拭き取り検査、聞き取り調査を行いました。N社の栄養士さんは熱心に衛生管理に取り組んでおり、問題は無いように感じました。患者調査でN社が濃厚となり、共通食のN社の弁当中のだし巻き卵から患者と同一のA群レンサ球菌が検出されN社の弁当が原因とされました。
卵焼きは当日の朝自社で焼いた物を使用し、盛りつけは使い捨て手袋を使用しており、だし巻き卵の汚染経路を見つけることが大事になりました。そこで保健所のドクターの協力で従事者の健康調査を行い咽頭ぬぐい液を採取したところ、64名中4名からA群レンサ球菌を検出しました。この食中毒は卵焼きの放冷時や盛り付けの際にA群レンサ球菌保菌者の調理従事者の口からの飛沫で食材の卵焼きや鮭を2次汚染し、配達や保管中に特にだし巻き卵で増殖したものと推定されました。

A群レンサ球菌は古くから化膿性炎症を起こす代表的な菌種と知られ、猩紅熱、丹毒、扁桃炎、産褥熱,敗血症などを起こします。また.この菌の感染後に急性腎炎やリュウマチ熱を発症することもあります。
主な原因食品としてはだし巻き卵、卵サラダ、卵サンドイッチ、ポテトサラダなど。感染経路は調理人からの食材汚染と推定され、A群レンサ球菌汚染食品の喫食による集団発生事例の多くはA群レンサ球菌の発育環境に適した春から夏の季節に発生しています。
症状として感染初期は発熱、咽頭発赤、咽頭痛、扁桃痛等の上気道炎症状で、下痢症状を発症する症例は少ない。潜伏期間は5~48時間、長くて72時間です。
           参照 食中毒予防必携 (社団法人日本食品衛生協会)

この食中毒の症状、感染経路、菌の増殖は普通の食中毒と異なっているため注意が必要です。一般的に毒物による食中毒を除いて、食中毒は下痢、おう吐といった胃腸障害のイメージがあり、風邪症状の疾病は食中毒と判断されずに届け出がないケースが多く、咽頭に病巣を持つ疾病は唾液等による飛沫感染があり、感染経路中に食品が介在すると食中毒になります。また、細菌性の食中毒は食品中の菌数がある程度必要で食品中で増殖しないと発症しにくいと想定されます。
事件後の福岡市保健環境衛生研究所の食品中でのA群レンサ球菌の消長試験で、錦糸卵、鶏ミンチの水煮、牛乳、蒸し鯖、ポテトで増殖しており、タンパク質や炭水化物を多く含む広範囲の食品で増殖するものと考えられます。
実際にある程度の集団でないと食中毒の届け出は無いでしょうし、食中毒と判明するの数は少ないでしょうが、感染経路から考えると、同じ様なケースは、結構ありそうです。また、これからの季節、インフルエンザも食品を介して感染することもあるのでしょう。ウイルスは小さく感染者の唾液中に多く含み感染力が強いの注意が必要です。
調理従事者の唾液等の飛沫からの汚染を防止するには、調理従事者の健康チェックとマスクの着用が重要になります。
参考 
弁当によるA群レンサ球菌集団感染事例について 福岡市保健環境衛生研究所
http://www.fch.chuo.fukuoka.jp/h09shoho/23-p53.pdf
食品中でのA群レンサ球菌の消長  福岡市保健環境衛生研究所 
http://www.fch.chuo.fukuoka.jp/h09shoho/23-p60.pdf




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