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食中毒の変遷 カンピロバクター菌

219 2010年7月4日
食中毒の変遷 カンピロバクター菌
カンピロバクターは、ウシやヒツジなど家畜の流産の原因菌として知られていましたが、検査が難しく人の下痢症との関連は明らかにされませんでしが、やがて検査できるようになり、その病原性が確認され、1982年に厚生省が新たな食中毒菌として指定し、常に食中毒統計の上位に位置しています。
1982年頃の福岡市では毎年のように春に郊外の鶏料理店が起こしていましたが、繁華街の飲食店では鶏の生の提供は少なく、カンピロバクター食中毒にタッチする事はありませんでした。
2000年の春に続けて2件カンピロバクター食中毒事件が発生しました。最初の1件は、居酒屋で10名のグループの4、5名から症状が出たとの届けが出て調査に入ったところ、冷蔵庫の中はよく整理されていて、ラップにしっかりと包んだ鳥刺しがありましたので参考品として検査することにしました。患者さんが食べた鳥刺しの現物ではありませんが、カンピロバクター菌がたくさん検出されました。この事件はグループで複数発症しカンピロバクター菌が多かったため発症が早く原因施設の調査が早期に実施できたので解明できました。次の事件ではあるレストランで起こった事件で団体客から複数の患者が出て、患者が共通して喫食した施設はこのレストランだけでした。原因食は特定されませんでしたが、食材の肉類を真空包装機で脱気していましたので、調理場で2次汚染し増殖したものと推定されました。
カンピロバクター菌は家畜や家きんなどの消化管に生息して、微好気性菌で空気が少ない状態を好みます。ラップできっちり包んだり、脱気して簡易包装したため菌が増殖したのではないかと推測しました。両事件から、鶏肉はできるだけ空気に触れるように保存すれば、鶏肉の表面のカンピロバクターを減らす事ができ、鶏肉を扱った手からのニ次汚染のリスクを減らすことができます。
 カンピロバクター菌食中毒の感染源として鶏肉およびその加工品が多く、市販鶏生肉の60~70%がカンピロバクター菌に汚染されています。鶏肉への汚染は主に鶏を解体する際に起こります。カンピロバクター菌は鶏が保菌している事が多く、鶏インフルエンザと違いカンピロバクター菌は人に感染しますが鶏には症状が出ませんので、感染していても生産者は経済的影響がありません。カンピロバクター食中毒は潜伏期間が5日と長く、保健所に届けがでる時は、喫食した食材はなく、喫食調査も正確性に欠けるため原因食不明となるケースが多いため、食鳥処理場、養鶏場には何のお咎めなしです。
しかし、市販鶏生肉の60~70%がカンピロバクター菌に汚染されている事実は、国内で食中毒の感染原因となる食材が広く流通している。それも加熱調理用だけでなく生食としても流通して、最近では多くの居酒屋でとり刺しを提供しています。マスコミは問題にもしていません。日本はとても安全な国とは言えないでしょう。

 カンピロバクター食中毒に関して「全国食品衛生監視員研修会研究発表等抄録」に学校給食の事例で鶏肉のドリップからの2次汚染を調べた報告がありました。危害分析で食中毒要因を調べる時、盲点となりそそうな箇所です。チェックしておいてください。
 1.鶏肉のドリップ中には鶏肉に比べカンピロバクター菌が多い
 2.ドリップの入ったビニール袋や手袋からの2次汚染に注意
 3.ドリップの入ったビニール袋をゴミ箱へ運ぶ途中に放冷中の扇風機の
後ろを通り、ドリップの水滴が食品に撒き散らされた可能性がある。
 4.清掃方法やゴミ処理について交差汚染の観点から点検が必要です。
 5.食肉、魚介類のドリップについても固有の菌の汚染がある。

 2009年の病因物質別食中毒発生状況をみますと、ノロウイルスが288件、10,874人でトップ、第2位がカンピロバクター345件、2,206 人となっていて、依然としてカンピロバクター食中毒が多く発生しています。カンピロバクター食中毒は潜伏期間が3日から5日と長く、1人や2人といった散発事例が多くて原因食の特定が難しいのですが、市販の鶏肉の汚染状況から、生食用食鳥肉を原因とする食中毒が多いのではないかと推定されています。。


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