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食中毒の変遷 サルモネラ菌 1

217 2010年6月6日
食中毒の変遷 サルモネラ菌 1
私が最初にサルモネラ菌食中毒の調査に入ったのは、ある居酒屋で起きた食中毒事件でした。患者からサルモネラ・ネズミチフス菌が検出されました。名前にチフスが付いているように、怖い病原菌で患者さんは重篤になり心配しました。原因食は不明ですが、ねずみは生息していましたので、夜間ねずみが動き回り、食べ物は食器を汚染したものと推定されました。
保健所の管轄は違っていましたが、若者が多く集まる場所の居酒屋でおにぎりを原因食とするサルモネラ食中毒が発生しました。施設検査で、炊飯器の横にあるシャモジを湿らす水から同型のサルモネラ菌が検出されました。従業員の便からもサルモネラが検出されていますので、従業員の手指から容器に入れた水が汚染し、容器は毎日は、洗浄してなく、サルモネラ菌が増殖し菌をシャモジに付けておにぎりを作ったものと推定されました。このようにサルモネラ食中毒は従事者が食品を汚染させたケースが多数あります。

私にとってサルモネラ食中毒事件の強烈な記憶は1996年から1998年にかけて、博多駅周辺に多発したサルモネラ・エンテリティディス菌(SE菌)による食中毒事件です。
最初の事件は1996年9月21日、香港資本の超高級な中華料理店でした。患者数89名、18グループからの届出という大きな食中毒事件でした。中華料理はよく加熱する料理が多く、高級中華料理店ですから調理して直ぐに提供しますので安全と思われていました。しかし、前菜のクラゲ、チャーシュウ、豚のすね肉、トリ肉、アヒル肉とデザートのマンゴープリンは前もって調理し常温で提供します。また、これらの食品は各グループに共通していましたので、この中に原因食があると思っていました。残念ながら当日の食品はありませんでしたので、原因食は確定できませんでした。当時香港でも数件マンゴープリンでサルモネラ食中毒が発生したとの情報もありましたし、マンゴープリンは卵の部分が十分加熱できていません。この時はまだ鶏卵の危険性は知りませんでした。この事件が3年間にわたり私が勤務していた博多保健所で多発したSE菌による食中毒事件の幕開けでした。
中華料理店事件の3日後、デパートで購入した有名菓子店のチョコレートケーキ ショコラトルテ、ムースオショコラを喫食して、食中毒症状を発症したという届出がありました。菓子製造業業の調査で残品、ふきとり検査、従事者からもSE菌を検出しました。これらのケーキは十分な加熱工程が無く、2次汚染によるものとされました。
1997年の4月に外資系のおしゃれな中型ホテル、8月にビジネスホテルの食堂、5日後に同系列の銀行の社員食堂でSEによる食中毒が発生しました。原因は従業員からの2次汚染と定食かき揚げとイカ天の卵とじでした。食品衛生に対し熱心な会社で従業員を集めて自社で数回6月に講習会を実施しそこで私は卵の危険性についてお話をしました。事件後責任者との会話で、従事者の検便だけで年間100万近くかけている。どうしてうちの会社が続けて2件も食中毒を起こしたのでしょう。どうしたら良いのでしょうか。日本では、検査を実施することで安全対策をしていると勘違いしている経営者が多くいます。検査効果を判定しないと意味をなしません。検便は、サルモネラ、赤痢、腸管出血性大腸菌O157の菌検査です。現在食中毒の1位、2位のノロウイルス、キャンピロバクターは検査していません。それと菌の検出率は何万人に1人位で、結果が出た時はすでに調理に従事しています。つまり、検便による食中毒予防効果は全くありません。このホテルの従業員の定期的検便は異常ありませんでした。しかし、数日前から複数の従業員が食中毒症状を呈していました。きちんと毎朝体調報告をさせて、調理から外したり、手洗いや手袋の使用で防げたはずです。コストのかけ方が違っていたのです。
9月に入って、弁当屋、社員食堂と発生し、1流ホテルで2つの結婚披露宴、同窓会、ホテルの直営3店舗からSEによる食中毒事件が発生しました。原因食はケーキのティラミスでした。さらに10月にはお寿司屋で原因食は出前の納豆巻きでした。90時間後に家庭内の2次汚染も発生しました。
1998年にも収まらず、博多駅近くのホテルでの結婚披露宴料理、菓子の宅配でカマンベールチーズケーキ、ティラミスによるSE菌食中毒、外食チェーン店、そば屋での卵料理と続き、9月にイカ料理の有名店での披露宴料理、ホテルの披露宴の4グループ 披露宴料理と続きました。
1996年から1998年に博多保健所管内で発生したSEによる食中毒事件は1996年 2件 患者数100名 1997年 7件 患者数299名 1998年 6件 患者数361名でした。3月~4月、8月~10月に発生し、ホテルの結婚式場、社員食堂、菓子製造業、中華料理店、料理店、飲食店と比較的衛生管理状態の良いと思われている所が食中毒をおこしました。推定される原因は、卵とじ、ティラミスやムース等の卵の部分が加熱不測や卵をまとめ割したり、卵を割る容器を使い続けてサルモネラ菌を増殖させたり、使用した卵や調理従事者からの2次汚染によるものです。
9月にSE菌食中毒が多発するのは、当時は鶏卵は常温保管で日付け表示も義務化されておらず、夏場に卵の消費が落ちてだぶついた夏越しの卵が大量に使用する施設に流れたことが原因です。3月、4月は当時、正月前に養鶏場ではえさを控えて鶏に生命の危機感を与えて生殖作用を増加させる方法が取られており、ストレスを感じた鶏が最初に産んだ卵はSE菌が汚染されやすかったからです。
加熱不足にしろ、二次汚染にしろ汚染された鶏卵が原因です。汚染鶏卵の犯人探しも必要ですが、かりに犯人が見つかっても、別のルートの汚染鶏卵が出回る可能性が高い訳です。モグラ叩きになり、その間も食中毒が発生し続けることになり、飲食店ばかりが処分を受けることになります。発想の大転換が必要になります。
犯人が見つからないならば、使用する側がリスクを知って、つまり、インエッグは3/10000しかありませんので、ボールにまとめて卵を割り込まずに、卵かけご飯のように個々に食べると、確率的にはたいしたことはないのです。それと、新しい卵なら菌量が少ないわけですから、冷蔵保管、まとめ割をしない等の取扱いと、新しい卵を仕入れるという原材料を選ぶという食中毒対策を早急に営業者に取らせることです。つまり、危害を知らせることです。スーパー等で売られていた卵は比較的安全な鶏卵で家庭ではあまりSE菌による食中毒は起こっていませんでしたし、食中毒事件の報道は小さく、市民は鶏卵のリスクを知りません。マスコミは、明確に原因がはっきりしないものは報道しませんのでマスコミは期待できません。
ではどうするか?どうしたかを次回書きます。

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