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食中毒の変遷 黄色ブドウ球菌

216 2010年5月16日
食中毒の変遷 黄色ブドウ球菌
私が最初に食品衛生監視員となった頃から黄色ブドウ球菌食中毒は毎年100件以下で推移しています。その頃は比較的小さなお店が多かったと思います。O157が多発し大きな社会問題となったから、衛生状況が改善され減少してきたように思います。
しかし、昨年から大型の黄色ブドウ球菌食中毒が目立ってきています。これは、ノロウイルス食中毒対策として、強力な洗剤や消毒液を使っての手洗いにより、手荒れを起こし黄色ブドウ球菌が汚染され易い環境になってきているのかもしれません。今後も注意が必要です。

私が最初に担当した食中毒は、市場内の店頭売りのすし屋でした。汚染原因は大なべで稲荷すしのあげを煮て室温に長時間放置し、その間に黄色ブドウ球菌が増殖したものと推定されました。加熱するから大丈夫と思っても黄色ブドウ球菌の毒素は加熱しても分解されませんので、稲荷すしを食べた人が食中毒を発症したものです。
もう1件は、ある店頭売りの弁当屋が旅行社から多くの弁当の注文を受けて、福岡から門司まで車で2時間かけて配達し、夕方出発の大阪行きフェリーのお客さんに届けました。出航後次々と嘔吐等の食中毒症状を呈する人が出て、急遽四国の新居浜市に臨時停泊し患者を病院に収容する事件がありました。原因は福岡の業者が配達した弁当の黄色ブドウ菌食中毒でした。調理してから喫食するまで数時間、途中車で2時間、30℃近くの置かれてますので、その間に黄色ブドウ球菌が増殖したのが原因です。どだい注文を受ける事が無理なのです。店頭売りの温食弁当は1時間以内に食べていただける物で、一度に多数の弁当を調整する能力も設備もありません。コンビニ弁当や駅弁とはお店の衛生管理の状態が違うのです。
私の黄色ブドウ球菌のイメージは「不潔な食品」による食中毒でした。手指の傷や鼻、ほこりといった不潔な環境と不衛生な取り扱いによって引き起こす食中毒でした。

2000年6月 雪印乳業大阪工場で製造された「低脂肪乳」を原因とする14,780人の被害者を出す大型食中毒が発生しました。このニュースを見ていて、最初から職場の同僚と話したのは、何かの原料を原因とする食中毒ではないかと思っていました。何故かというと、直前に管内の大手乳処理工場が日本版HACCPである総合衛生管理製造過程の申請がありその審査で処理工場を見て、危害分析を行い乳処理工場での予想される危害について学んでいました。雪印乳業はHACCPの指導的企業であり、雪印乳業大阪工場の衛生状況はある程度想像がつきます。これだけの大きな食中毒となる危害要因は工場内の管理された箇所には無いと考えたのです。
最初は加工乳から細菌検査の結果、病因物資は検出されず、毒物混入説もありましたが、4,5日後、和歌山の衛生研究所が黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンを検出し、黄色ブドウ球菌の食中毒と判明しました。事件直後の7月1日に行われた会社側の記者会見では、大阪工場の逆流防止弁の洗浄不足による汚染が明らかにされました。マスコミは、さかんに「原因は何ですか?」と聞いてくるのでとってつけたような原因をあげました。この記者会見はまずかったですね。大きな事件ほど原因追及は公的機関である保健所にまかせるべきです。当事者が発表しても信用されません。発生中の食中毒の拡大防止と再発防止に力をそそぐべきでした。逆流防止弁の洗浄不足程度なら全国に数多くある乳処理工場で起っているでしょうが、牛乳で黄色ブドウ球菌食中毒事件はあまり聞いたことはありません。次に売れ残りの回収した牛乳の再生が疑われましたが、これもどこでも乳業メーカーは長い間行ってきて、きちんと殺菌工程があり、これほどの食中毒事件の原因とはなりません。
この事件は最初から警察がなぜ調査に入ったのでしょう。警察は犯人を捕まえ罰則を与えるところです。最初から犯人探しでは原因にたどり着くのに時間がかかります。保健所の調査は公衆衛生上の見地から感染の拡大防止、再発防止を目的に回収命令や営業禁止等の行政処分を行います。食中毒なら保健所の食品衛生監視員でしょう。食品衛生監視員なら、HACCPの危害分析について知識はあるはずですから、危害要因のひとつである原材料について検査されたはずです。なぜ、原料の脱脂粉乳が原因との発表まで3ヶ月近くかかったのでしょうか。
黄色ブドウ球菌は、化膿したところ、おでき、水虫、にきび、のどや鼻の中、動物など私達の身近にありますこの菌は、食べ物の中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素が人に危害をおよぼします。エンテロトキシンという毒素は100℃30分の加熱でも分解されません。このリスクを知らずに、「もう1度加熱するから大丈夫と」北海道の系列工場で脱脂粉乳製造中停電して、長時間30度~50度の温度帯に放置されエンテロトキシンが大量に生成された物を使用したのが原因です。潜伏時間は、約30分から6時間で、はき気、おう吐、腹痛が主症状です。テレビや新聞の患者さんの報道で、明らかに症状や潜伏時間が違う人がたくさんいました。 会社の初期の対応が事件を大きくし患者を増やしたのでしょう。

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