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食中毒の変遷 腸管出血性大腸菌

215 2010年5月2日
食中毒の変遷 腸管出血性大腸菌
1996年7月 大阪府堺市で学校給食による学童の集団感染。患者数7,996名、死者3名。疫学調査により原因食材としてカイワレ大根が疑われると当時の厚生省(現厚生労働省)が発表したことは、大きな風評被害をもたらした。 この問題については、該当食材が残存しておらず、最終的に汚染源は特定されなかった。(Wikipedia 引用)
 当時、私は博多保健所に勤務していて、パソコン通信のNIFTYの生活衛生会議室に参加していました。会議室では事件発生時から多くの書き込みがあり、原因食の話題でにぎわっていました。私の推理は各小学校で給食が調理されている自校調理と発表になった時点で、学校で過熱調理される食材ではないと考えました。加熱された時点で食材に付いていた菌は死滅します。その状態で起す可能性としてはその後の2次汚染か過熱不十分の場合ですが、各校の調理員さんが同時にミスを起すとはで考えられません。そのまま提供される食材となります。また、学校給食は通常納品業者複数で全校共通の同じ生産者の食材は少ないはずです。肉類や畑の野菜類は同一の生産者の物とはなりにくく、その地域の占有率の高い大量に生産され物となります。
 「カイワレ」が食材に含まれたことが報道された時、以上の条件に当てはまる食
材は「カイワレ」だと考え、この食中毒を起す可能性が高い食材はカイワレだとNIFTYに書き込みました。私がカイワレを疑ったのは以前の福岡市の調査で一般的にカイワレの細菌検査の結果で生菌数や大腸菌群数が高いケースが多くあり、当時すでに福岡市の学校給食ではカイワレは使用を禁止していました。
 当時この会議室には厚生省の技官や医者が多く参加していましたが、あまり支持は得られず反対意見ばかりでした。現場状況からの推理や疫学調査は評価されず、細菌検査結果を重視しているようでした。当時、アメリカから疫学者が事件の応援に来日しましたが、大阪府の担当部局長が体よく京都見学をして帰っていただいたということが会議室に書かれていました。
 腸管出血性大腸菌O157は潜伏時間が5日間と長く患者が喫食した食材はすでに無く、疫学調査と状況調査により推理して原因を突き止める事が必要です。食中毒事件では、原因食から菌が検出される方が稀で、疫学調査と共通食という状況調査で原因施設を割り出す作業を行い、感染拡大防止と再発防止の観点から営業停止、営業禁止、回収命令、改善命令といった行政処分をすばやく行なう必要があります。また、当時の検査精度では食材からの微量の腸管出血性大腸菌O157検出は難しく、検出事例は「おかかサラダ」だけでした。
 「カイワレが原因と推定されると」管厚生大臣が記者会見で発表し、全国のカイワレが売れないという風評被害がおこりました。発表の仕方が悪く、選挙目当てのように見えました。明確に〇〇農園と言わないと他のカイワレ業者が迷惑します。業者名が言えないのなら大臣発表はしない方が良いでしょう。当事者の堺市市長か生活衛生部局長の発表で良かったのではないでしょうか。
 この事件では当初厚生省は疫学調査結果と数年後にカイワレの種子からO157のDNAを見つけたことでカイワレが原因と発表しましたが、裁判で堺市と厚生省が敗訴し、原因食は確定されないままとなってしまいました。

 当時の食品衛生監視員は腸管出血性大腸菌O157菌は牛の腸に生息していること、食肉検査所の統計で牛の腸から4~10%検出されている事は知っていました。一般消費者には知られていませんでした。そこで市販されている牛の内臓肉を50検体収去検査したら、食材から腸管出血性大腸菌O157菌が検出されるのではないかと、福岡市環境衛生研究所の担当係長と話して実行しました。予想とおり、2検体のホルモンから腸管出血性大腸菌O157菌が検出されました。食材からのO157検出事例の3、4例目が福岡市の事例です。マスコミに発表後、保健環境研究所にマスコミが押しかけ、食肉の生産した県からの問い合わせ等大変でした。本庁の担当係長から「ホルモンを検査すれば、菌はでるくさ、監視員なら常識」と言われました。いかにも臭い物の蓋を開けられて迷惑という口ぶりでした。消費者は常識ではなかったのです。堺市の食中毒事件が大きかっただけに真実を伝えるのに勇気が要りました。
 2014年に定年退職後(社)福岡市食品衛生協会の検査センターに再就職しました。その頃福岡市の幼稚園で腸管出血性大腸菌O157食中毒が発生し、本庁で記者発表がありました。夕方のニュースで地元テレビで流すのですが、テレビ局はコメントする人を探します。電撃黒潮隊」「タイの屋台は衛生的! 食品Gメンの眼」というドキュメンタリー番組の縁でRKBから声がかかり少し解説をさせていただいた事があります。その影響もあり、食協の検査センターは腸内検査(検便)が主な業務でしたが、この事件以降検査件数が増加し忙しくなり売上が伸びました。なぜか検査センター職員が事務局から睨まれて、お願いしても増員してもらえず、毎晩夜遅くまで残業していました。親方日の丸に近い外郭団体は仕事を増やして利益をあげると補助金が減らされるとでも思うのでしょう。部下の検査員も辞めたので、私も9ヶ月で退職して食品衛生コンサルタントの看板をあげました。
 日本の食品衛生には食中毒予防に効果があまり意味の無い検査が多い思います。検査センターで検便を行なってきましたが、陽性率が凄く低く、10万回に1回位で、赤痢、サルモネラ、腸管出血性大腸菌だけの検査していませんし、検便で食中毒が予防できることはありません。陽性者でも感染してから結果が判明するまで時間がかかり、その間に食品を汚染する可能性があります。人からの感染は手指からですから予防はしっかりした手洗で、手洗方法の指導とともに、手指のふき取り検査が効率的です。BSEの全頭検査も肉骨紛や人工乳がからの汚染が除かれて数十年経過していますので必要ないのではないでしょうか




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