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食中毒事例を自社の衛生管理に生かす

376 2017年2月19日
食中毒事例を自社の衛生管理に生かす
過去に起きた事例を、自社に適用して考えていくことは、大切なことです。現場における実際の作業から得られた情報のインプット、他社の事例や海外の情報のインプットを行うことで、常に衛生管理計画を磨いていかなければなりません。他社の事例は、自工場の潜在的な危害要因を浮き彫りにしてくれるかもしれません。海外で起きた問題は5年後には日本で起きると言われます。新しい情報が入るたびに見直していく柔軟な対応ができる組織体制を構築すべきです。
実際に起きた事件は、食中毒予防を実施する上で教訓(情報)としてインプットしなければなりません。同じ事件の情報を見ても、そこで危機意識を持つか持たないかは、潜在的な危害要因を未然防止できるか、顕在させてしまうかを分けてしまうかもしれません。具体的な事故や事件(食品業界で起きた事件に限らない)や、現場で起きた体験も含めて、情報は食品企業の「命」です。そうした情報をできるだけ多く吸い上げられる報告体系を運用し、そうして得られた情報は、システムの改善や従事者教育等の何らかのアウトプットの形で還元してこそ活きてきます。マイナス情報は、放置しておけばマイナスのままだが、共有することでプラスの有効な情報として生き返えることができます。
食品企業が効率的な食中毒予防に取り組む基礎情報の一つとして、食中毒統計のさらなる充実が不可欠です。数値として確定された食中毒事件は、実際に起きた(報告されなかった事件も含む)食中毒の"氷山の一角"に過ぎない。相次ぐ回収事故の結果、潜在していた消費者不信が表面化し、これまでの物言わぬ大衆が声をあげるようになりました。食中毒においても、表面化した部分だけを数値化するのではなく、"氷山"の全体像を把握できるようにしてこそ、企業も本当に実効性のある、消費者のための衛生管理計画を構築することができます。
いかなる食品もフードチェーンを経る中で汚染される可能性はある。HACCPは万能ではないし、想定しない事故は常に起こり得る。「我々に事故はあり得ない」というシステムは存在しません。万全の対策を講じるには、可能な限り多くの情報をインプットしなければなりません。食中毒の発生状況や流通食品の汚染実態などが、論理的な手法に従って調査され、その結果が共有されてこそ、より効果的な衛生管理システムの構築が可能になるはずです。

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