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シガテラ毒素食中毒の製造物責任

354 2016年2月21日
シガテラ毒素食中毒の製造物責任
 原材料の安全性を確認しないで(知らないで)起こしたある食中毒事件での判例を紹介します。食品は、その性質上、無条件の安全性が求められるので、食材が菌やウイルスで汚染されていて、食中毒を起こしても調理、加工すれば責任を問われることになります。起こしたあとに、原材料が汚染されていたからだと言っても遅いのです。リスクの高い食材は使用する側が安全性を確認していく事、原材料の選び方、仕入れのチェックが大事です。

シガテラ毒素食中毒の製造物責任について(判例)
 イシガキダイ料理によるシガテラ毒素食中毒に罹って損害を被ったとして,製造物責任(製
造物責任法3条)又は瑕疵担保責任(民法634条2項)に基づき損害賠償を求めた事案の判例で損害賠償を認める判決です。
・被告料亭側の言い分
1「加工」にいわゆる「調理」は含まれない。
・判決
1「加工」とは,原材料の本質はそのままにしつつも、人の手を加えることで新しい属性ないし価値を付加することをいうものと解 するべき。これを食品にあてはめて考えるなら、原材料に加熱,味付けなどを行ってこれに新しい属性ないし価値を付加した といえるほどに人の手が加えられていれば、これはもう「加工」といえる。
そして、食品は、その性質上、無条件の安全性が求められるので、およそ食品に食中毒の原因となる毒素が含まれていれば,当該食品は通常有すべき安全性を欠いているものというべき(=製造物責任を負う)
・被告料亭側の言い分
2 シガテラ毒素などというマイナーな食中毒まで製造物責任の対象にするのは損害の公平な分担を根本原理とする不法行為賠償の原則からみて不合理。
・判決
2 保険や共済制度が整備されているので、この点、被害者がその損害を補償されないとしたら、加害者はなんかあったときの備えができているのに、被害者が泣き寝入りでは、かえって不公平。
・被告料亭側の言い分
3 当時の識見では、この食中毒を認識することは不可能だった(いわゆる「開発危険の抗弁」)
・判決
3 本人が知っているかどうかを基準にしたら、無過失責任を謳った製造物責任法の趣旨が台無しになる。その当時の「世界最高の科学水準」をもってしてもやっぱりわからんかったとまで言えないと、「開発危険の抗弁」は使えない。シガテラ毒素は、昭和55年の「医学の歩み」(112-13)に載っかってるし、千葉県内でも昭和42年に食中毒例があるし、全国食中毒事件録にも過去載っかってるわけで、全く分からなかったと言う主張は認められない。
・更におっかないことに、シガテラ毒素の含有魚かどうかは判別が難しく、予防法もろくにないから、責任とれないという料亭の主張も、製造物責任法は、製造物に安全性が欠けてれば責任取れって法律で、開発危険の抗弁だけがそれをちゃらにできると明記してあるから、判別が難しかろうが、予防法がなかろうが、損害賠償責任は当然発生する。

ふぐ中毒について
  「河豚は食いたし、命は惜しし」とよく言われます。毎年河豚(ふぐ)を 食べて、中毒をおこして死亡する人が後を絶ちません。
 ふぐ中毒はふぐの肝臓や卵巣に含まれているテトロドトキシンという毒素が体内に入ることによって起こります。テトロドトキシンは神経毒で、運動神経・知覚神経の抹消を麻痺させ、その毒は強力で、青酸カリの数百倍に相当するのだそうです。中毒の症状としては、くちびる・舌・手足の知覚麻痺、さらに激しくなると全身の筋肉が麻痺して、呼吸麻痺により死亡するにいたるのだそうです。

(2)ふぐによる食中毒事例
 1 飲食店でヒガンフグの肝臓の塩焼きを食べて。
 2 行商人から丸体のコモンフグを購入し,肝臓等を除去せず味噌汁等に調理して。
 3 飲食店でコモンフグの皮の湯引きと刺身を食べて。
4 船釣りで釣ったショウサイフグを,刺身と肝臓の煮付けにして。
 5 釣りに行ってコモンフグを自分で調理し刺身として食べて。内臓の処理が悪く白身を汚染。
 6 魚屋のゴミ箱からフグの肝を拾ってきて食べて。

(3)ふぐ食中毒予防ポイント。
 ・フグは「フグ処理師」の免許を持った人しか調理できない。なお、東京都では条例によって「フグ調理師」だけにその取り扱いをきるとともに、取り扱う施設に認証書を交付している。
 ・フグは種類によって“食べられる部位”が決まっている。
 ・季節によって毒力に著しい変化がある。
 ・フグには個体差がある。
 ・フグの残滓の保管に注意すること。
 ・ふぐ中毒と思ったら救急車で、呼吸麻痺を防ぐこと。

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