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「つもり消毒」に注意

342 2015年8月16日
「つもり消毒」に注意
 野菜や果物は、水洗いによりある程度菌は除去されますが、年少者、高齢者、虚弱者の、食事や喫食までの時間が長い料理に使用する生食用野菜は消毒が必要です。消毒にからむ問題点は、すでに効力がなくなっている消毒液で消毒したつもりになっている「つもり消毒」と消毒後の管理不良による菌の増殖です。消毒したから大丈夫ではなく、消毒途中の濃度チェックと消毒後、喫食時の細菌検査で検証して、見直すことが大切です。

 大量調理施設衛生管理マニュアルでは、野菜や果物を加熱せずに提供する場合の殺菌の仕方は、「野菜・果物を流水で十分洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウムの200mg/Lの溶液に5分間、100mg/Lの溶液の場合は10分間又はこれと同等の効果を有する食品添加物として使用できる有機酸等で殺菌を行った後、十分な流水ですすぎ洗いを行うこと」と規定しています。
 次亜塩素酸ナトリウムの殺菌のメカニズムは、「発生期の酸素」によるものではなく、「次亜塩素酸(HClO)」自身が細菌の細胞壁や細胞膜、細胞組織の化学的性質を変化させたり、分解させ、細菌の活動に欠くことのできない「酵素」を破壊することによるものです。
 次亜塩素酸ナトリウム溶液は、pHに応じて平衡作用により状態が変わり、pH約5では次亜塩素酸(HClO)がほぼ100%占めており、pHが高くなるに従って、HClO量が減少して次亜塩素酸イオン(CIO)が増加します。pHを5付近では殺菌速度が高くなり、かつ殺菌力も強くなります。原液の次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性ですので、希釈濃度を高くするとpHが高くなり、逆に殺菌力は落ちてきてしまいます。
 つまり、希釈濃度を高くするとpHが高くなり効力が落ちてきますので、次亜塩素酸ナトリウムの追加は効果的ではありません。むしろ、酸を加えて pHを下げて消毒作用を引き出し、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を低くして、早めに消毒液を作り替えた方が「つもり消毒」を防ぐことができます。手近な酸とし食酢があり次亜塩素酸ナトリームと同量入れてください。次亜塩素酸ナトリウムの原液には「まぜるな危険」の注意表示があります。決して原液には酸を入れないでください。希釈液を作って希釈液の方に食酢を加えてください。次亜塩素酸ナトリウムは強力な酸化剤であり、有機物である汚れと反応すると効力が落ちますので、消毒できる量に限度があります。

 効果的な生食用野菜の消毒の作業手順を残留塩素とpHを測定しながらしてください。野菜を10分間漬けて消毒後、再び残留塩素とpHを測定してください。次に、次亜塩素酸ナトリウムを100mg/Lの溶液にpH5になるように食酢を入れて同じように測定してください。消毒した直後の野菜と喫食時間まで保存した野菜は大腸菌群数の簡易検査をして効果を検証してください。濃度を変えて現場に合った消毒方法を決めてください。
 高濃度の残留塩素を測定するには、「残留塩素100」(テックジャム)が便利です。pHの測定は万能試験紙で行うこともできます。
http://www.tech-jam.com/items/SB-8052-315.phtml

 洗 浄
 洗浄は機械・設備などの汚れを落とすための清掃作業です。微生物の多くが食品残渣などの汚れとともに存在しているので、洗浄作業によってそれらの汚れをなくすとともに微生物をも減少させることができます。
 目的とする汚染物質がなにか、デンプンか、タンパク質か、脂肪がついているのか、それらが乾燥してこびりついているのかどうかなどにより、 使用する洗剤の種類が異なります。これらの知識・情報は洗剤メーカーから提供されています。それらの情報を把握すれば、正しい洗浄を行うことができます。
 殺 菌
 殺菌は、積極的に微生物を制御し、微生物汚染度を減少させる作業で、静菌・除菌・消毒・殺菌・滅菌などが含まれます。
 食品危害の大多数を占める微生物汚染の防除を考えて、食品原材料を汚染した微生物や、食品製造工程中に混入した微生物を減少させたり増加させないために行う作業です。食品産業ではこれらのいくつかを組み合わせて用いるのが普通です。
 殺菌処理は最後の手段と考え、その前に清掃・洗浄などにより微生物数を減少させておくことが重要です。
 食品工場で最も多く用いられている微生物制御の手段は「加熱殺菌」です。加熱殺菌は、独立して存在する加熱殺菌工程以外の工程でも行われています。すなわち、煮沸、揚げ物、焼き物、妙り物工程など加熱をともなう多くの工程は、製品の性状を変化させるとともに微生物制御の側面も併せもって行われています。

 加熱殺菌のポイント
 加熱殺菌は、作業性・経済性などから見て最も効果的な殺菌方法ですが、中心温度や保持時間の管理などには十分な注意が必要です。さらに、殺菌処理前にもできるだけ微生物汚染度を増加させない工夫が必要であり、加熱殺菌後の食材の取り扱いにも十分な注意が必要です。

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