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衛生管理の基本は手洗いです

334 2015年4月19日
衛生管理の基本は手洗いです
「食品衛生は手洗いから」この言葉は昔から言われていました。しかし、従業員の手指から汚染が拡がったと推定される食中毒が増えてきています。それも大規模な食中毒になっています。ノロウイルス、サルモネラ、病原性大腸菌、赤痢など人のお腹で増えて、トイレで手を汚染し食べ物について食中毒を起こします。家庭内、保育園、老人福祉施設ではおむつ替え時にも手を汚します。食品を介さない感染症を含めると何十万人の人が手洗いが悪くて食中毒、感染症にかかっています。手洗いは、インフルエンザにも予防効果があります。
 サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌といったかつての3大食中毒は激減していますが、ノロウイルス食中毒発生の勢いは衰えません。ノロウイルスは食品中では増殖しません。人のお腹の中だけで増殖します。ノロウイルスの出口は大便と吐物です。感染経路は、手指です。つまり、ノロウイルスの食中毒は手指の汚染からです。汚染のスタートとなるトイレ後の手洗が肝心です。多くの日本人ならトイレ後に手を洗います。しかし、ノロウイルスの食中毒、感染症が減少しないと言うことは、手洗の方法とタイミングが不十分だと言うことです。
 手洗を観察すると手を濡らすだけの人が見受けられます。食品関係施設で手洗いを厳しく指導して、作業前にマニアルにそってきちんと手洗をしていることが多くなりました。手洗がきちんとできているかを定期的に確認すると効果があります。手を洗わせてから手のふき取り検査をしてみましょう。きちんと洗えているかを見ます。それと、従事者の人数に見合った蛇口が必要です。
 トイレ後の手洗はどうでしょう。大便は家庭ですることが多いので家庭で石鹸を使ってきちんと手洗をしているでしょうか。忘れずに肝心な場所での手洗を指導してください。
 私の衛生監視員時代、手洗いについての指導は、施設基準を中心に専用手洗いの設置に重点を置いていました。繁華街の調理場の狭いスナックでも調理用シンクとは別に小型の手洗器を設置させていました。場所が無くてカウンターの下に絶対に使えない場所に作り、営業許可を受けていた店もありましたし、手洗器の上に物が置かれていて、使ったような形跡の無い手洗器もありました。手洗方法の指導から入れば、調理用シンクに手洗用洗剤とペーパーを設置させれば良かったのに、ハード面だけで効果的な手洗の指導が出来てないのが、食中毒がなかなか減少しない原因かもしれません。
 菌やウイルスは目に見えませんので、イメージで見せる事にします。
「トイレに入ります。大きい方です。終わりました。トイレットペーパーはどちらの手で持ちますか? お尻を拭きます。手のどの部分がお尻に近いですか?そこの部分が一番汚染しています。手洗いをします。蛇口をひねります。ちょっと待ってください。どちらの手を使いましたか?トイレットペーパーの方の手は汚染していますよ。反対の手で蛇口をひねりましょう。水で洗います。それだけですか。よく落ちていますか? 洗い落とされずに手を広く汚染されたかもしれませんよ。
 ノロウイルスは非常に小さく、感染者の便には1g中1億個いると言われています。トイレットペーパーを通して指先が汚染され、手洗い前に触れると汚染されます。
 食品衛生の基本は手洗いです。「手洗い」簡単なようでなかなか実行が難しいのが、この手洗いです。手洗設備は、手指の洗浄及び乾燥が適切にできるよう維持するとともに、水を十分供給し、手洗いに適切な石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、消毒剤等を備え、常に使用できる状態にしておくこと。ノロウイルスは冬に多く発生しますので温水も必要です。
手洗いのポイント。
・トイレ後の手洗いはトイレットペーパーを握った方の手の中指、薬指、人
 指の3本の指先を意識してよく洗うこと。
・つめの部分が汚れやすいので、つめブラシを使って洗い落とすこと。
・トイレの後、仕事の前、盛り付け等の清潔作業を行う時には手洗いをする
 こと
・ノロウイルスはオスバン等の消毒薬が効きませんので石けんでよく洗うという手洗いの基本を守ることが大切です。
・強い消毒液は皮脂を落とし黄色ブドウ球菌が検出することがあります。ハンドクリーム等で油分を補給してください。
・各自で健康管理を行い、仕事前に健康チェック表を付けましょう。
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