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全頭検査の実施は政治的判断--ならば輸入解禁はいつ?

67 2004年2月22日
全頭検査の実施は政治的判断--ならば輸入解禁はいつ?
 前回に引き続き、先月出席した九州地区食品安全モニター会議について報告します。BSEに関しても、食品安全委員会から説明がありました。事務局次長の「全頭検査の実施は政治的判断で決められたもの」とのお話に、「やはり」と納得しつつ、未だ続く米国からの輸入禁止措置の行方について考察してみました。

 九州地区のモニター会議では、英国での一連のBSE対応策がとられたものの、1990年以降、欧州全域でBSEが蔓延したこと、さらに日本での発生に至ったことが体系立てて説明されました。

 世界のBSE感染牛の発生件数は、英国で18万3523件、アイルランド1325件、フランス849件と続き、世界全体の97%以上は英国で発生しています。新型クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)の患者は、英仏伊などでこれまでに合計153人が報告されてます。そのうち143人は英国に集中していて、日本では患者の報告はありません。

 BSE感染牛の危険部位として、悩、脊髄、三叉神経、背根神経節、回腸、眼球を挙げていて、日本での牛肉からvCJDに感染するリスクは100万分の1と言われています。

 各国のBSE検査体制について、英国は30カ月齢を超えるもの原則食用禁止(例外的に30カ月齢を超えて食用に認められているものはすべて検査)。障害のある牛は、24カ月齢を超えるものをすべて検査する。ドイツは、24カ月齢を超えるものをすべて検査 (24カ月齢以下は任意検査)。全頭検査を実施しているのは日本だけで、これについて食品安全委員会の一色事務局次長は、「全頭検査の実施は政治的判断で決められたものだ」とお話しされていました。

 当時の経過を振り返ってみると、行政の怠慢と不手際のツケが市民に不安を与え、日本の消費者の安心感を確保するため全頭検査が実施されたといういきさつがあるようです。全頭検査は、決して科学的に決めたものではありません。

 今回の米国からの輸入禁止についても政治的な思惑が見え隠れしています。まず、米国のBSEの発見の時期があまりにも悪過ぎました。国会で自衛隊のイラク派遣承認を控えて、そう簡単に米国の言いなりになって、すぐに輸入禁止解除するわけにはいきません。ここでは対米強行路線のポーズをとる必要があります。その上7月には参議院選挙があり、日本の畜産業者への配慮が必要です。輸入禁止は国産牛の価格が上がり好都合です。

 一方、米国も11月には大統領選挙があり、テキサス州出身のブッシュにとっても、牛肉の輸出は重大問題です。畜産業からの支持が得られないと再選は難しくなります。

 そういう政治日程により、米国からの輸入禁止解除が決まると思います。マスコミも承知して輸入禁止解除に向けての体制作りのため、前回あれほど繰り返し流したふらつく牛の映像を、今回は使っていません。今回は、米国産牛肉に対する拒否反応をなくすために吉野家の牛丼騒ぎを利用し、牛丼最後の客に「早く解除」と言わせています。

 できるだけリスクを減らす努力は当然すべきですが、コストや他の食品との兼ね合いも考えなくてはなりません。鶏卵やカキの食中毒のリスクは、BSEのリスクより格段に高いのです。食の自給率40%を切る我が国において、食の安全のルールも国際的なものに合わせることが必要です。

 不作の影響でコメが、高病原性鳥インフルエンザで鶏肉が、季節要因で野菜がと軒並み食材価格がアップして、外食産業で立ち行かないところも出てきました。食関連産業は、競争の時代から淘汰の時代に入ってきたようです。

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 週刊文集 2月19日
 卵の偽装表示を見抜くには黄身より白身に注目
                    
 鳥インフルエンザ騒ぎに紛れて、忘れ去られた感のある卵の賞味期限の偽
装表示事件(業者は一週間の営業停止処分に)。関係者にきくと、さすがに半
年前の卵が流通することはまずないものの、2、3ヶ月程度のごまかしは日
常茶飯的に行われているらしい。気温の低い冬場なら2、3ヶ月程度だと、
見た目は産みたてと何ら変わらず、割った中身を見ても容易には判別がつか衛生コンサルタントの西村雅宏氏はこう警告する。

 「とんでもない!そんな卵食べたら死ぬ場合だってありますよ。卵白にはリゾチームという優れた酵素が含まれ、これがサルモネラ菌など食中毒菌を退治してくれる。しかし、時間が経つにつれ酵素の殺菌力が弱まります。卵の中にサルモネラ菌がいたら、すごい勢いで増殖する上、外部からの菌の侵入も抑えられなくなります。卵は新鮮であればあるほど食中毒のリスクが少ないんです」

 では、偽装表示された古い卵を見分けるにはどうしたらいいのか?
 「外見では判断できません。卵を割って白身の部分をよく観察して下さい。白身がぷるんと高く盛り上がり、黄身も含めて全体がしっかりしていれば大丈夫。白身が水っぽいものはダメです。

 世間では黄身の色が濃い方がいいとか、殻がざらざらしてるほうが新鮮だとかいわれますが、黄身の色は飼料に含まれる色素によって変わるだけ、殻のざらざらも鮮度との因果関係は不明です。とにかく白身に注目です」(前出・西村氏)サルモネラ汚染については、密閉型のウインドレス鶏舎より開放型鶏舎で生産された卵の方が安全だとする公的機関の検査結果もある。

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