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ノロウイルス予防の鍵は誰も見ていないトイレにあり

86 2004年12月5日
ノロウイルス予防の鍵は誰も見ていないトイレにあり
 そろそろノロウイルスが心配な季節が近づいてきました。ノロウイスルは生カキなどが原因となって起こる冬場でも心配しなければならない食中毒です。2003年2月には、「ミニきなこねじりパン」工場のたった1人の従事者のノロウイスル汚染により、北海道厚岸町の学校給食で661人の患者が発生するという大事件に発展しました。今回はこの事件を検証します。

 2003年、ノロウイルスによる食中毒は、患者数1万603人で総患者数の2万9355人の35%を占めています。事件数では278件、食中毒事件総数1585件の17.5%です。03年の100名を超える大規模食中毒は49件あり、うちノロウイルス食中毒は17件も発生しています。

 北海道厚岸町の小中学生、教職員661人の食中毒は、「ミニきなこねじりパン」が原因でした。このパン工場の従業員一人の便からノロウイルスを検出し、いずれも患者の便とおう吐物の遺伝子型が一致することを確認されました。聞き取り調査の結果から、同工場の従業員一人は手袋を付けずに素手できなこをパンにまぶす作業をしており、この過程で従業員の手指からパンにノロウイルスが付着したとみられています。

 この事件は学校給食関係者にショックを与えました。学校給食の調理場は厳重な衛生管理体制が出来ています。しかし、外部委託のパンは、高温で焼き上げ、喫食までの時間も短く、安全と考えて食中毒の原因になるとは考えてなかったのです。学校給食に納入している業者ですから、大量調理施設マニアルに準じた衛生管理が行われ、たぶん検便や手洗いの指導等は行われていたはずです。しかし、たった1人のトイレ後の不十分な手洗いで起こしてしまいました。

 なぜ、衛生管理がされているはずの学校給食用パン製造所、旅館、修学旅行生が利用するレストラン等の施設で大きな食中毒を起こすのでしょう。これは、従来の衛生管理の常識が通用しなくなっているためです。

・ノロウイルス食中毒は冬場に起こしています。食中毒は夏だけではないのです。
・ノロウイルスはヒトのお腹の中だけで増殖し、食品中では増えません。
・患者のふん便、吐物には大量のウイルスが存在します。
・感染力が非常に強い。
・塩素、酸、アルコール、加熱に強い。消毒液では防げない。
・症状が消えた後もしばらくウイルスを排出する。

 では、どうすれば良いのでしょう。ノロウイルスの対策はHACCPの危害要因分析で考えると効果的です。感染経路は大きく分けて2つあります。このウイルスのスタートは人のお腹です。(1)カキや2枚貝による(原材料に由来)経路:ヒトのお腹で増殖→トイレ→下水→河川、海→カキなど2枚貝に蓄積→喫食(生食)感染→発症(2)調理従事者の手指から(ヒト由来)の経路:ヒトのお腹で増殖→トイレ→手指汚染→食品汚染→喫食。

 ヒト由来については、食品を介して感染すると食中毒となり、ヒトからヒトのように食品の関与が判明しなければは感染症と分類されます。初冬期から春先にかけて発生する食中毒様急性胃腸炎や下痢の風邪は、このウイルスを原因としていることが多いと言われていています。

 ノロウイルス食中毒の危害要因は、上記のように原材料に由来するものやヒトに由来するものが多いのです。日本は今まで、施設や設備に由来する危害についての衛生管理が主で、原材料に由来するものやヒトに由来するものの対策が弱いために、思わぬ大型食中毒事件へと発展するのです。

 ヒト由来の食中毒を防ぐには、従事者の手指からの汚染を止めること。風邪や下痢症状があったら申告させるなどの個人衛生の徹底です。つまり教育です。「何のために」「なぜするのか」「効果的にするにはどうしたらよいか」というように、衛生管理の目的、仕事の目的まで考え、「何をすれば効率的になるか」を考えさせる事が大事です。

 そして、その中1番のポイントは、手洗いです。昔から「食品衛生の基本は手洗い」と言っていました。トイレ後に手を洗わない人は少ないでしょうが、はたして、きちんと洗えているのでしょうか。濡らすだけの手洗いではないでしょうか。「自分や同僚が汚染源となりうる」ことをしっかり教育することです。たかが1人の手洗い不良でこのような大きな事故が起こるのです。

 従事者のトレーニングとして、まずはイメージさせて気付かせることです。トイレの場面を想定しましょう。トイレットペーパーはどっちの手でつかみますか。トイレットペーパーを通してその手の指先を汚染します。イメージしやいようにその手の指先に朱肉を付けます。 水で手を洗います。紙で拭きます。蛇口、反対の手、紙に朱肉は付きませんでしたか。水だけでは落ちませんね。せっけんでしっかり洗わないと落ちません。それと、どこを一生懸命洗うかわかりましたか。トイレ(大)の後の手洗いでウイルスがたくさん付いているかもしれない指先を落とすことです。

 なお、このウイルスは消毒薬の効果がありません。洗い落とすことが重要です。「微生物は目に見えないのでイメージすること」が大事で、手指のふきとり検査は、比較的簡単な検査です。検査項目も大腸菌群数とブドウ球菌くらいです。直接ノロウイルスやサルモネラ菌を検査しているわけではありません。ちゃんと洗っているか、洗われているかを検証します。大腸菌群数が少ないか、検出されなければ、お腹にいるかもしれないノロウイルスやサルモネラ菌は洗い落とされていると判断できます。

 日本で多く行われている検便は過去の状態を調べてサルモネラや赤痢菌の保菌者を排除するためです。犯人探しの方法です。必ずしも将来の感染予防にはつながっていません。犯人は、食中毒菌やウイルスとたくさんいますし、いつ感染するかわかりません。

 拭き取り検査は、手洗いがしっかり出来ているかを検査しています。将来起こるかもしれない、手洗い不良による食中毒を防止するためです。食中毒を起こさないために行う恋人探しの手法です。恋人探しは楽しくしましょう。全員で取り組み、なぜ手洗いをするのかを理解し、目的を理解して、誰も見ていないトイレでもしっかり手洗いができるようにすることです。

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