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ここ数年件数トップのカンピロバクター菌に注意

99 2005年7月3日
ここ数年件数トップのカンピロバクター菌に注意
 先月、保健所の食品衛生監視員(食監)たちが有志で集まり企画した「食の安全を考えるつどい」に参加してきました。消費者団体、マスコミ、食監によるシンポジウムを聞いていて、消費者と実際に食中毒事件を扱っている食監とでは、リスクの対象が少し違っているのではないのかと感じました。消費者の方々はリスクを言葉や映像のイメージによって決めており、行政は政策内容や統計数字を見て決めているためなのか、ギャップがあります。

 2004年、食中毒に罹った人は、統計的には患者数2万5436人、死者4人です。これは、食品のリスクと予防対策を知れば防げるものだと思います。食中毒についてのリスクコミニケーションが不足していているから、このようになったと思うわけです。

 一般の方には馴染みが少ない食中毒菌として、カンピロバクター菌があります。ここ数年ずっと食中毒発生件数のトップです。04年は546件発生し、患者数2294人でした。しかし、件数の割に患者数は少なく、食中毒患者数でいえば4位です。

 はっきり言ってこの菌による食中毒調査を嫌っている食監は多いのではないでしょうか。原因施設不明、原因食不明となり、すっきりしないケースが多いのです。なぜなら、原因食を摂食して、発症するまでの期間である潜伏期間が5日と長く、少量の菌で発症しするからです。

 発症して病院で治療し検便した結果、カンピロバクター菌が検出されてはじめて、保健所に食中毒事件としての届けが出るのです。検査機関から病院に検査結果が戻ってくるまでの日数を入れると、10日ほどかかります。ところが、10日前の食べた物など覚えていませんし、既にその食品はなく、同様な症状がある人もいない。結局、原因施設、原因食不明で、病因物質はカンピロバクター菌となってしまいます。

 03年のカンピロバクター菌食中毒491件中、患者1人の食中毒は341件とこのケースは70%近くを占めています。原因施設不明ですから新聞にも載りません。そのためあまり知られて無いのですが、発生件数から見てリスクが非常に高い食中毒だと言えます。

 カンピロバクター菌は家畜、家禽またはペットの腸管内に存在し、特に鶏の保菌率が高く、鶏肉から50%を越える検出率が報告されることもあります。では、なぜ鶏の保菌率が高いのでしょうか。それは、鶏の腸管内に生息するこの菌が、解体作業で羽毛の除去作業の際に毛穴から侵入するからだと言われています。

 生態が牛の腸管内に生息している病原性大腸菌O-157とよく似ています、牛の場合はと畜する際、食道と肛門を結索し、腸の内容物で肉の部分が汚染さを完全に防ぐ事は難しいと聞いています。怖がらずにリスクを知り、生産者食鳥処理業者、調理業、販売者、消費者と連携して対策を進め、鳥刺しなどによる食中毒を防止してもらいたいものです。

 私の現役時代、あるグループから数人の食中毒症状があったと連絡があり、私が調査に入った事例です。冷蔵庫の中も整理整頓されていて、ラップなどで包んだ生食用鶏肉がありましたので検査したところ、患者の検便と同じカンピロバクター菌が検出され、鶏刺しを原因食と確定しました。菌量も多く潜伏期間も短かったので、原因を突き止めることができました。さらに、1週間後にもカンピロバクター食中毒が発生しました。今度は食材を真空包装機で脱気して、簡易包装していました。

 カンピロバクター菌は腸管内に生息し、微好気性菌で空気が少ない状態を好みます。ラップできっちり包んだり、脱気して簡易包装したため菌が増殖したのではないかと推測しました。両事件から、鶏肉はできるだけ空気に触れるように保存すれば、鶏肉の表面のカンピロバクターを減らす事ができ、鶏肉を扱った手からのニ次汚染のリスクを減らすことができます。

 カンピロバクターによる食中毒を防ぐには、鶏刺しなどの生食を避けること、特に子どもやお年寄り、病弱な人は絶対避けることをしっかりと認識してください。カンピロバクターによる腸炎回復後に、自己免疫神経疾患であるギランバレー症候群あるいはフィッシャ症候群に進展することがあるので、それも要注意です。発生件数が多いのは、5月から9月までで、今まさにシーズン真っ盛りだといえそうです。カンピロバクター食中毒菌は、肉の内部に侵入していますので、十分加熱することで効果があります。

 食中毒は、どういう食材に、どういう行為がなされると、リスクが高まるかという情報と、その予防対策を冷静に伝えることで簡単に減らせることができます
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