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HACCP研修方法について

306 2014年2月16日

HACCP研修方法について

 JICA(国際協力機構)の国際研修「食品衛生のための行政の能力強化」コースでHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)の講義をしました。今年は受講生が少なく4人でした。お国はアフリカのモザンビーク、南米のチリとクック諸島でした。食料資源を輸出する国です。食料輸出国にとってHACCPは大事で輸出先の基準に合わせないと輸出できません。
 HACCPの講義の多くは7原則12手順を実習を交えて行う事が多いのですが、最初からHACCPの設計を教えるより、前提条件の一般的衛生管理プログラムをきちんと実行される方法に力を入れました。HACCPは相手国により微妙な違いがあり、システム設計は相手国に合わせ、必要な時にすれば良いのです。それより、土台がしっかりしてないとうまく機能しないことを経験的に感じていました。
 それとHACCPはCCPよりHA(危害分析)の方がより重要だと考えています。HACCPの12手順では、危害分析に先立ち、実際の作業を把握したうえで、原材料の受け入れから最終食品に至るまでの工程のフローダイアグラムを作成します。施設内見取り図の図面を作成して、その図面を見て、危害分析を行います。HACCPの設計の時やCCPを決める為にはそれで良いのですが、危害分析が施設内に偏ります。多くの人はCCP(重要管理点)の訳語に惑わされてCCPを重視します。それではHA(危害分析)が不足します。食品企業の大きな危害と言えば食中毒です。食中毒の原因は様々です。現実に起こった食中毒事件を参考にHA(危害分析)をして対策を追加することが必要です。
 浜松市の小学校14校でノロウイルス食中毒が発生しました。各学校で給食を調理して同時に発生していますので原因は調理施設内で無く、同じ食材による可能性があります。原因は食パンでした。食パンの異物検査で、検査員が手で1枚づつ触ります。その時に検査員の手からノロウイルスが汚染しました。検査員の検便でノロウイルスが見つかっています。トイレで手を汚染し、手洗い不足で食パンを汚染したと思われます。同じ様なパンによる学校給食の食中毒事件は11年前にも起こしています。施設内だけのHA(危害分析)は不足で原材料に仕入れ先も見ていくことが必要です。
また、冷凍食品に農薬を故意に入れた事件もありました。犯人は検挙されましたが従業員でした。故意によるものでした。高級レストランの偽装表示も大きな社会問題となりました。健康被害はありませんでしたが経済的危害は莫大でした。HA(危害分析)的思考、つまり過去の他社の事例から予め危害を予測する予測力が必要で、自社に当てはめて対策を取っておく柔軟な考え方が求められます。
 食中毒対策ではWHOが2006年に発表した"Five Keys to Safer Food Manual"が有効です。
1.清潔に保つ(Keep clean)
2. 生の食品と加熱済みの食品を分ける(Separate raw and cooked)
3.よく加熱する(Cook thoroughly)
4.安全な温度に保つ(Keep food at safe temperatures)
5.安全な水と原材料を使う(Use safe water and raw materials)
 この5KEYを踏まえて一般的衛生管理プログラムを実行することが大切です。
 特に清潔に保つ(Keep clean)は食品産業の基本です。この基本を浸透させて、全員で実行するには食品衛生7Sが有効です。
 食品衛生7Sは「整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔」で微生物レベルの清潔を達成することを目的としています。最初の「整理・整頓・清掃」の達成は綺麗なイメージを与えます。清潔さは企業イメージをあげることとなり、企業が利益を挙げる大きなポイントの1つです。食品工場は清潔なイメージが大切です。また、働く人の気持を明るくし、職場が整頓されると能率的に動けるようになり、作業効率が向上します。
「清掃・洗浄・殺菌」は一般的衛生管理プログラムを実行する為の作業手順書、マニアルを作成し守っていくこととリンクしています。
「しつけ」は、教育と同じようですが、食品衛生7Sのしつけは教えるだけでなく、現場で皆で考えて知恵を出すことです。例えば提案制度などの参画意識がモチベーションを上げることにつながります。
 ノロウイルス食中毒の対策は手洗いが大事ですが、何故手洗いが必要なのか、ノロウイルスは何処に生息しているか、その感染経路はどこかと皆で考えさせると、汚染を広げないためにトイレ(大便)の後の手洗いが大事だと理解されます。すると、家庭のトイレ(大便)後の手洗いが大切だと理解して手洗いの方法を確実に実行するようになります。また、患者の吐物にはノロウイルスが多く含まれていますので調理場で吐かれると大変です。感染の恐れのある人を調理場に入れない、自己チェック表で自主的に申告して調理場に入らないようにします。つまり個人の衛生教育が最大の予防策です。
 故意に農薬を投入された事件の予防策は一般的には監視カメラの設置となりますが、内部犯の対策は不十分で、採用の時にしっかり人を審査する事と、様々な誘惑や心の迷いから起こした事件であれば、会社や職場内のコミニケーションを良くして、社員のモチベーションを上げることがで予防効果となるのでは無いでしょうか。
 JICAの2日目に演習として、日頃良く見かける事柄を15題出して、CODEXの一
般原則のどの条文に書いているかを調べて発表させました。同時に、それは、どういう危害や問題が発生するかを考えてさせました。「もし・・・」と考える事でHA(危害分析)の訓練になります。1つの設問で複数の条文が関係します。衛生基準を逆引きすることで、衛生基準を理解しやすくなり、研修生がお国で工場を視察した際に根拠を明示して指導できるようになります。


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