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ノロウイルスの症状あり、その時あなたはどうする

90 2005年2月6日
ノロウイルスの症状あり、その時あなたはどうする
 ノロウイルスが原因となって特別養護老人ホームで7名死亡。そして、各地で同様の症状の患者さんが見つかり、厚生労働省は今月12日、感染性胃腸炎の集団発生が昨年11月以降、43都道府県の計236施設で起き、発症者が計7821人に上ることを明らかにしました。さあ、あなただったらどうしますか?

 老人ホームに限らず、病院、保育園、幼稚園、飲食店と同じようなケースに遭遇するケースは高いものです。お客さんや園児、入院、入所者が嘔吐、下痢というノロウイルスの症状が分かった場合、あなたはどうしますか。そこの責任者となったつもりで、ケーススタディとして、学んでみましょう。

 新聞では以下のことを報じていました。
・昨年12月30日から1月6日にかけて嘔吐や下痢などの症状を訴え、うち男性1人と女性5人の計6人(81~91歳)が死亡。
・死亡した6人のうち5人は、重度の要介護者で流動食。
・インフルエンザが原因と疑い、検査をしていた。結果は全員陰性。
・食中毒か感染症か判断が付かず検査を続ける。
・保健所は匿名の電話で知り調査を開始。

 ではここで質問です。
1)あなたの所と仮定して、どの時点で保健所に届を出しますか。
2)届を出す前に、行政や専門家に相談できる体制を取っていますか。
3)患者さんのケアはどうしますか。
4)嘔吐や下痢症と聞いて食中毒を思い浮かべましたか。
5)この事件前にノロウイルスを警戒してましたか。
6)ノロウイルス感染予防対策を取っていましたか。
7)危機管理マニアルはありますか、必要事項の記載はありますか。

 この経過を見てみますと、現場責任者の判断が非常に難しく、ある種の落とし穴に入っていたことが推定されます。先ず、年末年始にかかっており、職員も少なく、役所も休みという状況でした。食中毒の恐れがある時は給食施設を自主的に停止するという指導を受けますが、老人福祉施設は特別食が多くて代替は不可能です。また、調理従事者が感染している場合は仕事から外します。このウイルスの場合1カ月経っても便から検出されることがあります。

 今回は、重度の要介護者で流動食の患者さんが発症しており、施設の食事ではないようです。食中毒なのか感染症なのか非常に迷うところです。しかし、老人福祉法に基づく厚生労働省令の「事故発生時の対応」で報告の範囲には、食中毒及び感染症、結核の発生が定められており、正式な届出なくても電話で相談する事が大事です。どこに連絡したらよいのか、誰に相談したらよいのか、休日の役所の緊急連絡先は知っていますか。出来たら電話で状況を相談できる位のコミニケーションを取れていたら安心ですね。

 今回の事例では、この迷いがあります。先ず、インフルエンザを疑い、検査したが陰性で、食中毒菌も陰性でした。流動食の人が発症しており、食中毒ではないと考えたのでしょうが、食中毒か感染症かどうかの判断は食事の状況、発症時間、症状、検査結果で保健所が判断します。ノロウイルスの検査機器は民間ではほとんど持っていません。行政が行う方が確実で早いです。

 このような事態に遭遇したとき、「なぜか」と考え、先ず原因追及を行ったために対応が遅れ事態を大きく複雑にしてしまうケースが多々あります。「なぜか」と考えると過去に向かいます。なぜの答えが見つかるまで停止してしまいます。このケースでは食中毒か感染症かを調べるためインフルエンザの検査をし、食中毒菌の検査をしています。「なぜか」と考えています。そして後手を踏んでしまいました。

 「何をすべき」を考え、常に先を見ていく事が大事です。「ノロウイルスは感染力が強く、集団に入り込むと、人から人へと感染が広がる。しかし、高齢者や子どもでも重症化することは少ない」と言われており、患者さんのケアが最優先です。ウイルスは特効薬はありませんので、対症療法で脱水症状や吐物による窒息防どなどの処置が必要です。次が感染拡大の防止です。感染を拡大しないように手洗いとか消毒になります。届出というより施設の管轄する役所に相談することです。

 検査をしなければノロウイルスと分からず、対策がとれないのではないかと思いますが、この季節、12月のノロウイルス食中毒発生状況、感染性胃腸炎の流行状況から考えたら症状から見て、容易にノロウイルスと推定が出来ます。食中毒か感染症かは、公的な機関で調査して決めた方が結果が早く出ますし、適切な指導を受ける方が賢明です。

 新聞の記事には、多数の死者を出したことで、施設側のミスが大きく報じられていますが、各地で同様の症状の患者さんが見つかっており、同様なことがどこでも起こる可能性があることを示しています。結果で判断しようとすると、対応が遅れて間違えます。食中毒予防も事故予防も先を読み、この時期どういう危害が発生するか、その危害が発生したらどういう対応を取るか予測して準備しておけば、危害を防げますし、発生しても最小限に止めることができます。

 食中毒の発生状況はかなりのレベルで予測できます。危害を予測して予め対応を考えておくことは、HACCPの危害要因分析の思考です。今日からでもぜひ実践してください。
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