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ふき取り検査はどのようにするのか、そしてその効果は?

84 2004年11月7日
ふき取り検査はどのようにするのか、そしてその効果は?
 保健所の抜き打ち「収去検査」(食品衛生監視員が食品衛生法に基いて行う食品添加物や細菌の検査)を受けたところ、監視員さんから「できれば製品検査やふき取り検査を定期的にするように」と言われました。ふき取り検査はどういうもので、どういう効果があるのでしょう。

 2003年8月の食品衛生法の改正により、営業者の自主管理が義務付けられました。そのため、現在各都道府県や指定都市及び中核市では、営業者の自主的な衛生管理に役立つように、「食品衛生管理運営基準」の改正作業を進めています。

 その基準は、「手洗いや器具の洗浄消毒などの作業手順書を作成しなさい。作業手順書がきちんと守れるように教育しなさい。細菌学的にきちんとできているか、検査をして検証しなさい。その検証結果をフィードバックして、危害を事前に防ぐとともに、品質向上に努めなさい」といった、衛生管理の具体的な手順が表してあります。そして、検証のための原料検査、施設・器具・手指のふき取り検査、工程中及び完成品の検査を重視しているのが特徴です。

 細菌検査がどれほど効果があるものなのか、現役の時に経験した事例を紹介しましょう。あるスポーツイベント会場に提供しているお弁当屋さんを、私が収去検査を担当したときのことです。検査の結果、一般生菌数が10万/gを越えてしまいました。すると、イベントの主催団体も「改善できるまでは取引停止だ」と厳しく言ってきたそうです。。お弁当屋さんは「取引再開のため改善を迫られました。何とか指導して欲しい」と泣きついてきたのです。

 お弁当の細菌検査は、ご飯や個々のおかずを少しずつ取って混ぜて検査を行ってお弁当全体の結果を出します。原因追及のためには、どのおかずの細菌数が高かったのかを調べる必要があります。そこで、煮物や和え物、ご飯と個別に検査をさせました。

 その結果、ご飯が10万/gを越えていたのです。とはいえ、出来たての弁当を検査に出したそうです。ご飯ができた時点では、一般生菌数はゼロのはずですからこんなにあるはずはありません。なぜでしょう。

 私は、検査までの工程に高くなる原因が潜んでいると考え、詳しく事情を聞いてみました。そうすると、クーラーの前にしばらく置いて冷やしてから検査機関に持ち込んだということが分かりました。

 そこで「冷やす工程に問題あり」と推定しました。そして、クーラーのフィルターをチェックしてみましたところ、ゴミがたくさん付いていることが分かったのです。クーラーが細菌をまき散らしているようなものです。これは、細菌検査をしてみて初めて分かったことです。

 このように見た目がきれいにできている弁当でも、見えない場所での管理が悪くて品質を大きく落としていることが、多々あります。そんな目に見えないところの危害を事前に防ぐために活用するのが、原料検査、製品検査、ふき取り検査なのです。

 細菌などの微生物は目に見えません。真っ白できれいに見えるふきんに細菌がたくさん付着し、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌に汚染されているかもしれません。きちんと洗浄消毒されているふきんは、見た目が少々黒ずんでいても、危害を及ぼすことはありません。衛生的であるかどうかを定期的な細菌検査で調べ、菌が検出されていれば、そこを改善変更することで、事故を未然に防ぐことができるのです。

 今年7月に、社団法人日本食品衛生検査指針「微生物編」が発刊され、ふき取り検査法が記載されました。また、ふきとり検査法について、私のホームページ「食中毒を防ぐ知恵」でも解説をしていますので、参考になさってください。

 ふきとり検査法は、小型のシャーレになどに入れた標準寒天培地面を検査材料表面に圧着するスタンプ法、ろ紙に培地成分を乾燥状態で含ませている試験紙法、きわめて感度が高く、検査結果も迅速に得られるATP法などがあります。

 加えて、一般生菌数や大腸菌菌群数の食品検査法として、従来の標準寒天培地およびデソキシコレート寒天培地の混釈法に加え、特殊な膜面に培地成分を乾燥状態で含ませている乾式培地法の簡易・迅速検査キットが4種類採用されました。この方法はふきとり検査にも使用できます。その4種類は次の通りです。

(1)ペトリフイルム(スリーエムヘルスケア)生菌数、大腸菌群数測定
(2)シンプレート(GSKクレオス)生菌数、大腸菌群数測定
(3)サニ太くん(チッソ)生菌数測定
(4)コンパクトドライ(日水製薬)生菌数測定

 これら4種類の検査キットの共通な利点は、培地作製不要、簡易な作業操作、発育集落のカウントが容易、作業時間の短縮などが挙げられます。簡易法というと「簡単=精度が劣る」というイメージがありますが、いずれもAOAC(公的分析科学者協会)で承認された検査法で、国際的には従来の寒天培地より通用する方法です。

 従来の寒天培地法では、培地作成に高圧滅菌機や試験台などかなりのスペースと経験と知識を持った人が必要で、培地調整で検査精度が違っていました。長期間保存できないため、事前準備を必要とし、検査後の廃棄物処理も大変でした。その点で上の4つの方法は、軽量コンパクトで保存スペースも少なく、長期間保存ができます。検査終了後の廃棄物の量も減ります。とりあえず小型の定温器があれば、ふきとり検査は可能です。手指のふき取り検査結果を写真に撮って従事者に見せれば効果があります。
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