スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

どうする!「保健所に訴えるぞ」とお客からの電話

82 2004年10月3日
どうする!「保健所に訴えるぞ」とお客からの電話
 「お宅の食事で食中毒にかかった」----。飲食店にこんな電話が掛かってきます。店長さんが一番ドキッとする瞬間です。一方、患者さんは、「食中毒症状があるのだけど、言うべきか、言わざるべきか。たかりと間違われたらどうしようか」と、これまた大いに悩んだ挙句に掛けてくるものです。今回は、こんな場合の適切な対処方法についてまとめてみます。

 こうした場合、地域の保健所としては、施設検査や検便、喫食調査で食中毒を判定しますので、日頃から食中毒かどうかの目安を知っておくと、多少はびっくりしなくて済むのではないでしょうか。

 サルモネラ属菌と腸炎ビブリオは腸で反応するため、下痢が主症状となり、菌が腸まで来て繁殖する時間が必要となるため、12時間程度かかります。ルモネラ属菌は発熱、腸炎ビブリオは強烈な腹痛を伴います。黄色ブドウ球菌は毒素が原因となって胃で反応するので、嘔吐、時間は30分。ノロウイルスは生カキで嘔吐、24時間前。カンピロバクターは、鳥刺しが疑わしい場合、2~3日かかり、O-157は生レバーや焼き肉で3日前と一応判断します。詳しくは、「食中毒菌の潜伏期間と症状」を ご参照ください。

食中毒菌の潜伏期間と症状
         潜伏期間    症状         多い原因食
サルモネラ属菌  12~24時間   下痢、腹痛、発熱  生卵 畜肉製品
腸炎ビブリオ    8~24時間   腹痛、下痢、   鮮魚介類
ぶどう球菌    0.5~ 1時間   吐気、嘔吐、下痢  おにぎり、弁当
カンピロバクター  2~ 3日    下痢、腹痛、発熱  とり刺し 畜肉製品
O157    3~ 5日    腹痛、下痢、血便  生レバー 畜肉製品
ノロウイルス    1~ 2日    嘔吐、下痢、発熱  カキ、2枚貝 2時汚染

 患者さんの症状と発症時間を聞けば、潜伏期間から自分の店かどうか見当がつきます。潜伏時間が合ってなくても、お客さんですからきちんと対応することは大切です。生半可な知識を振り回すと、予想外な事件に発展することもありますので、ご注意を。

 とにかく、患者さんの健康が大事ですから、病院に行って治療と検便を受けてもらうようお願いします。患者さんが複数であったり、ゆすりの疑いがある場合は、すみやかに保健所に届けます。ゆすりの常套句として「保健所に言うぞ」と言われますが、逆に保健所や警察に相談して、第3者に説明してもらった方がスムースにことが進むケースがあります。

 保健所は原則として、食中毒症状の原因である病因物質(病原菌、毒素)が見つかり、原因施設(その店との因果関係)がはっきりしてから、行政処分をかけます。患者側の話を聞いただけでは決めません。

平成15年 月別、病因物質別食中毒発生件数
月別      4 5 6 7 8 9 10
サルモネラ属菌 14 25 36 56 68 56 23
腸炎ビブリオ  0 3 9 18 56 17 2
カンピロバクター32 61 55 65 52 39 43
ぶどう球菌   5 0 4 9 13 9 6
合計      89 116 134 181 216 156 129

 前回書きましたが、腸炎ビブリオ菌による食中毒は9月いっぱい、警戒が必要です。また、9月と10月は、卵によるサルモネラ食中毒事件が多発しますので、これにも厳重な注意が必要です。(参照データ:平成15、年月別、病因物質別食中毒発生件数

 私が現役の時の強烈な印象として残っているサルモネラ食中毒は、9月30日と10月2日と、連続して起こりました。その前の7月、8月は無事に過ぎ、「お彼岸も過ぎたからもう大丈夫」と思った矢先でした。

 サルモネラ食中毒は、その時期に起こるべくして起こったことも、後で分かりました。以前卵関係の業者の人から教えていただいたことで、猛暑だった今年についても同じことが言えそうです。

 「鶏(特に赤玉鶏)は梅雨時から9月までは非常に蒸し暑い時期、人間と同じように夏バテしてしまい、飼料(エサ)を食べる量が減り、水を多く摂取します。そのため濃厚卵白(白身でもプルンとしている部分)の比率が減って、水様卵白が増えます。卵白(特に濃厚卵白)はリゾチームという酵素で雑菌を死滅させる能力を持っていますが、その濃厚卵白が減ってしまいますと、鶏卵自体の鮮度(ハウユニット)が急激に落ちて雑菌に対する抵抗が減り、いわゆる食中毒菌の侵入や腐敗につながるわけです」。

 卵がだぶつく時期に常温で長期間保存された卵が出回ることがあります。この卵にインエッグ(卵の中にSE:サルモネラエンテリティデスが入る)が混じりますと、その卵の汚染が急速に進みます。そのような卵は菌量が多いため、手指や卵料理に使った調理器具、冷蔵庫などから2次汚染の可能性も非常に高くなります。

 サルモネラの食中毒はもちろん夏場に多く発生しますが、秋になり少し涼しくなって油断していると、夏場に長期保存された卵が調理場に入ってきて、大変なことになります。鶏卵は何よりも、鮮度が大切です。ホテル、結婚式の披露宴、給食施設、菓子製造施設など、多くの卵を使用する施設は、信用がおける仕入れ業者を選び、養鶏場もチェックしましょう。さらに仕入れ時に、卵を割って白味の状態を検査することも必要です。

 最近、弁当業者の方から、「仕入れの時、卵を数個割って卵をチェックしているが、白味が水っぽくなっている。養鶏業者に質問すると『新鮮な卵でも夏の卵はこのようになる』との答えが返ってき
た」という報告を受けました。やはり、水様卵白の卵が出回っているようです。十分気を付けていただければ幸いです。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

consalmasa

Author:consalmasa
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。