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フードチェーンの思想がより濃くなる衛生管理運営基準

76 2004年7月4日
フードチェーンの思想がより濃くなる衛生管理運営基準
 2004年2月27日、厚生労働省医薬食品局食品安全部は、食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)を発表しました。これを参考にして都道府県や指定都市は「食品衛生管理運営基準」の改正を行わなければなりません。改正の方向性やその思想はどういうものでしょうか。

 「食品衛生管理運営基準」とは、飲食店や食品営業者が守るべき食品衛生上の基準として、都道府県、指定都市及び中核市が定めるものです。この基準の拠り所となるものが今回発表されたガイドラインです。

 このガイドラインの改正点や目的を探ると、食品衛生の方向性をあらためて確認することができます。厚生労働省医薬食品局食品安全部の文書に、「昨年の食品衛生法の改正を契機として、(Codex Alimentarius Commission)が示している食品衛生の一般原則(General Principles of Food Hygiene )の内容等を参考に「管理運営基準準則」を全面的に見直し、新たに「食品等事業者が実施すべき管理運営に関する指針(ガイドライン)」(以下「指針」という。)を別添(PDF 27KB)の通り策定した」とあります。

 Codexは、消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、FAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格(Codex規格)の作成等を行っています。

 Codexの食品衛生の一般原則のイントロダクションには、次のような記述があります。「国際間の食品取引は増加しており、重要な社会的及び経済的利益をもたらしている。しかし、これはまた世界中に病気を容易に拡散させている。過去20年間に多くの国々で食習慣が大きく変化し、これを反映して新しい食品の生産、調理及び流通技術が発展した。それ故に、効果的な衛生管理は、人が自分の健康を守り、食品媒介疾病及び障害、あるいは食品の悪変を避けるために極めて重要である。農場、生産者、製造加工業者、食品取り扱い者、消費者を含むすべての者は食品が消費に安全で適切であることを保証する責任を有している」。

 さらに、「この文書は第一次製品の生産から最終消費に至るまでの食品のフードチェーンを対象にしており各段階におけるカギとなる衛生管理に焦点を当てている。それには『危害分析重要管理点方式(HACCP)とその適用に対する指針(付属書)』に述べられているように食品の安全性を向上させるために、できる限りHACCPに基礎を置いた取り組みを推奨する」と生産から消費までのフードチェーンの各段階で食品を保証する責任をうたっています。例えば、オーストラリアの牛肉生産においては、各段階で食品を保証する責任として「全国出荷者証明書」が必須で、Codexの一般原則を反映しているものといえるでしょう(参考記事:「BSEフリー豪州牛肉の衛生管理の秘密とは」

 厚労省のガイドラインは、明確にフードチェーンのことや食品を保証する責任を明確には書いていませんが、章を設けて「第1:農林水産物の採取における衛生管理」「第5:運搬」「第6:販売」「第7:表示」と、内容的には打ち出しています。さらに、食品などの取り扱いで原材料及び製品について自主検査をすべしとしています。また定期的に製品検査やふき取り検査を実施し、施設の衛生状態を確認することを説いています。

 一方、病院や福祉施設の給食において衛生管理基準のベースとなっている「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、同一メニューを1回300食以上、または1日750食以上を提供する調理施設に適用するとあり、基本的に調理施設内にとどまる衛生管理が主体で、フードチェーンの思想はありません。

 食中毒の危害要因は、原材料に由来するもの。人に由来するもの。施設や設備などの環境に由来するものがあります。日本は、施設や設備に由来する
危害については、自分のところで可能な限り熱心に取り組みますが、原材料由来するものや人に由来するものの対策が弱いと思います。

 FOOD・SCIENCEの記事「食中毒予防の3原則はもう古い!第4の方法とは?」に書きましたが、このところ原材料が原因ではないかと推定される食中毒が発生していますが、なかなか原因追及ができず、患者に提供した者だけが処分されています。そのため、この系統の食中毒を避けるには、原材料の使用者が事前に安全証明を要求するか、入口検査を実施することが必要となってきます。

 厚労省も「農場から食卓まで」の標語を使っていますので、ガイドラインにはフードチェーンの考え方を具体的に示し、「保証する責任」を明確に打ち出してもよかったのではないでしょうか----。次回はさらに詳しく見ていきます。
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