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BSEフリー豪州牛肉の衛生管理の秘密とは

74 2004年6月6日
BSEフリー豪州牛肉の衛生管理の秘密とは
 BSE(牛海綿状脳症)フリーの国、オーストラリアは、日米牛肉問題の深刻化にともなって、このところ一層注目をあびるようになりました。そのオーストラリアを訪れ、豪州畜肉公社などを視察してきましたので、レポートします。オーストラリアのBSE対策を含む牛の衛生対策には、大いに学ぶべき点がありました。

 日本が海外に多くの食糧を依存し、牛肉もその例外にもれないのに比べて、オーストラリアの牛肉産業は完全な輸出依存型。国内で生産される牛肉の66%が、米国、EU、そして日本へと輸出されています。ところが、米国はもとよりEUのPL法は大変厳しく、衛生基準についても輸出国に様々な条件を課しています。

 もっともそのお陰でオーストラリアの牛肉産業は鍛えられ、オーストラリア牛の安全性への確立にもつながりました。一方で日本は、米国やEUのPL法の洗礼を受けこなかったこともあり、国際的に厳しい衛生基準についての認識は必ずしも十分ではありません。

 BSEについても、EUの認定ではオーストラリアはBSE発生リスクの最も低い国のグループ(レベル1)に入っています。日本はレベル3、米国はレベル2です。2001年のEUの委員会が日本で狂牛病が発生する可能性を評価したところ、「その可能性は確かにある」と通知してきたのに適切な対応を取らなかったことが、今日の日本のBSE問題を大きくしてしまいました。

 オーストラリアがレベル1を維持している理由は何でしょう。やはりそれは危害要因分析に基づいて早めの対策を取ってきたことだと思います。
MLA豪州食肉家畜生産者事業団のホームページでTSE(伝達性海綿状脳症)予防措置の経緯についてまとめていますので、紹介します。
http://www.aussiebeef.jp/b2b/safety/main.html

●オーストラリアで実施されているTSE(伝達性海綿状脳症)予防措置
1966年 ニュージーランド以外の国から肉骨粉の輸入を禁止
1988年 英国を含むBSE感染国からの畜牛輸入を禁止
1990年 国内の畜牛を対象としたBSE検査を開始
1991年 フランスとスイスからの畜牛輸入を禁止
1996年 WHOの勧告に基づき、反芻動物組織由来の飼料を反芻動物に与えることを自粛
1997年 法律によりオーストラリアの全州・準州にて上記の飼料を反芻動物に与えることを禁止
1998年 BSE監視に関するOIE(国際獣疫事務局)のガイドラインを採用。監視プログラムは牛及び羊に適用
1999年 特定の哺乳動物由来の飼料を反芻動物に与えることを禁止
2001年 農務大臣が全ての肉骨粉タンパク質を反芻動物に与えることを禁止する法の制定に同意。世界初の法制化となる
(以上、MLA豪州食肉家畜生産者事業団「セーフティ」のページから年表を抜粋)

 豪州畜肉公社の説明によれば、オーストラリアにおける牛肉の安全性と品質保証は官民一体となって進めているといいます。その品質保証は生産からと畜場、加工施設、製品輸出されるまでのすべての工程において、HACCPによる管理で実践的に行っています。

 その結果、「農場から食卓まで(Farm to Fork)」の各行程において、牛肉の安全保証が担保されています。各部署で責任を明確にするために安全に行われたことの証明書発行が義務付けられており、証明の無い牛肉は輸出も国内流通もできませんし、と畜場で扱ってもらえません。

 ところでオーストラリアでは、牛肉の安全性への取り組みについて、生体、と畜・冷却、加工・包装、輸送の大きく4つのカテゴリーに分け、それぞれの段階でHACCPによる安全衛生管理を行っています。

 トレーサビリティ実現のために、生産段階では8ケタの農場固有の農場識別番号(PIC)を設定し、農場で飼育される牛に農場番号を印刷したテールタグまたはイヤータグを装着します。家畜を移動する際には、テールタグまたはイヤータグを付けて「全国出荷者証明書」を添付しなければなりません。

 「全国出荷者証明書」には、(1)成長ホルモン使用の有無(2)品質保証プログラム認定農場の有無(3)出荷牛の誕生牧場(4)植物副産物飼料の給餌(5)残留物監視プログラムとそこでの放牧制限(6)獣医薬品および化学物質(7)放牧地および肥育用飼料の農薬残留の回避(8)農薬散布(9)家畜の健康状態----の9項目について記載を義務づけています。虚偽の記載をした出荷者は厳しく処分されるそうで、偽装表示も事前に防ぐ仕組みとなっています。

 オーストラリア食肉の平均賞味期限は77日です。米国は62日、日本は45日でオーストラリア産食肉とかなり差があります。4~5年前は福岡市のと場で処理された牛肉は30日以下でした。衛生管理の向上により賞味期限が延びたとはいえまだまだです。オーストラリアの77日は、「農場から食卓まで」の各行程管理が奏功した成果だと、あらためて感心しました。そして、各部署のHACCPに基づいた厳格な衛生管理、フードチェーンの大切さがよく分かりました。輸出で鍛えられたレベルの高さだと、オーストラリアの地にて、再確認しました。
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