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安全確保、昔は食文化の知恵。今は検査と教育で

73 2004年5月16日
安全確保、昔は食文化の知恵。今は検査と教育で
 消費者が感じている主観的評価の「食の安心」と自然科学的な実証に基づいて客観的に評価される「食の安全」が報道のされ方の間で、差が大きく広がっているように感じます。BSE(牛海綿状脳症)の問題についても日米協議で専門家会合の設置が決まり、「食の安心」の面から始まった全頭検査を見直し、リスク評価や食用肉から除去する特定危険部位などの定義を決めることで、「食の安全」を科学的に論議する方向が出てきたようです。

 一方報道の扱いは小さいのですが、現実に多くの食中毒という危害が発生していて、「食の安全」が確保されているとは言えない状態です。食材にはその食材を好む病原微生物が付いているというリスクが存在します。その病原物質を洗ったり、加熱することにより安全を確保することができます。料理方法は食べ物を安全にすることも含まれ、環境や風土により食文化が育まれてきました。

 中国、東南アジアの料理は油の高温で揚げる、炒める料理や、お粥のようにぐつぐつ煮込む料理が主となります。病原微生物が繁殖しやすい気温、調理に使用する水の問題、衛生環境から安全を確保する知恵が食文化となったものです。

 日本は生食文化と言われており、魚介類、貝類、食肉、内臓肉、鶏卵と生食が大好きです。日本の河川は短く急流で、綺麗な水が豊富にあり、流しそうめんのようにこの水を使った料理があります。水が豊富であれば、衛生的に調理できることから魚介類の生食が始まったのです。

 江戸時代に寿司屋台がはじまり、その頃から魚介類を生で食べるようになりました。それでも、10年前は魚介類の代表的食中毒である腸炎ビブリオによる食中毒が毎年のように全国でトップでした。

 腸炎ビブリオによる食中毒件が減少傾向を見せたのは、1996年の堺市で起こった病原大腸菌O-157事件でした。魚介類は病原大腸菌O-157のリスクはないにもかかわらず、「生食に注意しましょう」との報道により、一番被害を受けたのは、鮮魚店、魚を主とする飲食店、料理店でした。それ以降清潔指向が強まり、消毒が徹底され、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌の食中毒は減少傾向を示しています。

 一方、食肉類の生食は20年前は一般的でありませんでしたが、テレビのグルメ番組にタレントを登場させ、リスクを伝えることもなく取り上げたことで、普及に拍車がかかったようです。

 生の魚介類は、さばく時に魚介類を洗うことで真水に弱い腸炎ビブリオ菌を減少させるので、2次汚染を防止します。しかし、生食用食肉は、Ready to eat products(消費者が加熱などせず、購入してそのまま口に入れる食品)で、消費者に提供する直前の施設や消費者は、菌を増やさないようにすることはできても、菌を減らす手段を持ちえません。それでも、いったん食中毒を起こせば、その責任は提供した施設に問われることになります。従ってReady to eat productsについては、リスクアセスメントを行い、その結果を受けて幼児、高齢者、妊婦、病弱な人に対する注意を払うべきです。

 病原性大腸菌O-157は、主に幼児と高齢者、病弱な人が罹患し、健康な大人はなかなか発症しません。テレビでタレントが美味しそうに牛レバ刺しを食べる映像をよく流しています。大人のタレントにリスクは少ないでしょうが、そのテレビを見ている子どもはどうでしょう。せめて「子供には危険ですから、良い子はマネをしないように」くらいは言うべきです。

 生食用食肉は「生食用」という表示が義務付けられています。果たして、牛レバの「生食用」は販売されているのでしょうか。牛レバを生食用として出荷するのは難しいと聞いています。実際私は、「生食用」と表示されている牛レバが販売されているのは見たことがありません。

 5月辺りから細菌性の食中毒の発生が増えてきます。鶏刺しのカンピロバクター、牛のレバ刺し、牛肉のタタキや牛刺しに加え、生食及び加熱不十分な食べ物が原因と推定されるケースの食中毒が増えてきます。さらに鶏卵のサルモネラ食中毒も、鳥インフルエンザの影響で在庫が増えたことでリスクが高くなる可能性があります。
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