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タイ・チェンマイの冷凍食品工場品質保証部はポジリスにも対応

128 2006年10月1日
タイ・チェンマイの冷凍食品工場品質保証部はポジリスにも対応
 前号に引き続き、食品安全ネットワーク(米虫節夫会長)の「タイ
(Thailand)ISO/HACCP研修会」の報告をします。今回は、タイ北部のチンマイの郊外にあるタイ資本のプリンセスフーズ社、冷凍食品工場の視察です。製品の95%は日本に輸出している企業で、主力商品は冷凍のナスのはさみ揚げです。輸出先の日本の商社の要求が厳しいため、衛生管理を厳格に行っています。この工場も国際規格のISO9001、HACCPを認証取得しています。

 プリンセスフーズの最初の説明で、品質管理、品質保証部門が組織化され、人員の配置などに力をいれていることが分かりました。タイでは、畑でできたままのものを店に持ってきて、サイズや姿を揃えるといったことなしに、素朴な状態で売っています。日本向けの商品を作る場合、既存の市場から継続的に仕入れることは、量や品質の点で不可能です。

 そのために、プリンセスフーズの品質保証部は日本が要求する品質を確保するために、生産から管理していかなくてはなりません。タイは日本の農協のような組織がないため自社で行うことが必要となります。

 品質保証部は、生産農家と契約前に過去の農薬使用状況を調査し、必要なら土壌調査します。残留農薬のポジティブリスト制に合格させるため、農場の所有者に対して予め栽培方法の指導を行って、実行することを確認した上
で契約します。苗、農薬、肥料は会社から提供し、栽培指導を行います。生産物の選別も厳密に行い、サイズ、形、色を揃えて購入しているそうです。特にポジティブリスト制が導入された後は、生産農家への農薬、肥料などの使い方の指導は必須になりました。

 食品安全ネットワークは、一般衛生管理の部分を重視し、「整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔」の7項目の7S を「食品衛生7S」として提言し、ISO22000やHACCPの土台であるのPRP(前提条件プログラム)を「食品衛生7S」により衛生管理を充実させようとしています。その観点から、この工場も見学させていただいたわけです。

 食品衛生7Sのスタートは整理・整頓です。見学を進めていくと工場の中がすっきりしています。工場の現場の壁際に棚がない、物が置かれてない。器材は部屋の中央に配置しています。部屋の周囲にふたがない浅い側溝があります。これなら清掃が容易です。さらに、水がこぼれたら清掃専任の人がすぐに水を切っていました。床のドライ化がこれだけできるなら長靴は止めてズックに替えた方が作業しやすいのではないのという意見がでたほどです。

 洗浄、殺菌は、手洗い場に人を配置し、手洗い、ロールがけがきっちりできているかをチェックしていましたし、作業中も30分置きに手袋ごと消毒槽に浸して消毒していました。試験室を設け品質管理の担当者がふき取り検査を行って汚染されやすい所を探し、正しく作業されているか見守っています。決めたルールがきちんと守られるようにしつけもよくされています。

 通常、工場見学の際には改善点など指摘するのですが、この工場は「そこまでやるの、日本ではとても無理だ」と思うほど徹底していました。

 日本のHACCPである総合衛生管理製造過程では、一般的衛生管理プログラム(PRP)を示し、そのうえにHACCPが成り立つことを強調してます。私は現役当時指定監視員(HACCPの研修を受けて認定作業を行う)として、認定作業の経験がありますが、PRPに対する指導は現場経験のない食品衛生監視員には難しく、HACCPにおけるCCP(必須管理点)というインパクトのある言葉の出現によって、PRPの重要性が吹き飛んでしまい、PRPがおろそかになってしまいました。そのためか、HACCP認定の工場でも数年経つと、普通以下のレベルに下がる工場も見られました。

 今回タイでは食品工場と農園の2カ所を見学しました。食品安全や品質管理には、しっかりした原材料を確保することが必須で、農場から食卓までというフードチェーンの思想が大切であると改めて感じました。加えてISO22000やISO9001、HACCPというシステムはそれを着実に実行することが重要です。タイでHACCPがうまく運営されているのは、HACCPの土台であるPRP(前提条件プログラム)がPDCA(plan、do、 check、act)により運営され検証し常に改善されているからです。そのためには、基本的な「整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔」の7項目の7Sを推進することが効果的だと実感しました。

 なかんずく、この2つの工場でHACCPがうまく運営されているのは、各部署に優秀なタイ人をユニットリーダーとして採用しており、ユニットリーダーがリーダーシップを発揮できるような体制ができているからです。こうした職場には、衛生管理のマニュアルを厳格に運営していることと、労働力が豊富でこのような工場で働きたい人が多く、マニュアルというルールを守れないような人は雇用されないという厳しい現実があることが、成功している原因なのかと感じました。

 工場に入ると工場従事員からにこやかに「サワディカー、サワディクラップ」と両手をあわせる挨拶を受けます。このことは教育、食品衛生7Sのしつけがうまくいっていることを示しています。日本ではともすると輸入食品は低く見てしまいますが、外国には日本より食品安全、品質管理面でも優れた食品工場があることを知って欲しいと思います。

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