スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

黄色ブドウ球菌を減らすための手洗いが“危ない”?

125 2006年8月20日
黄色ブドウ球菌を減らすための手洗いが“危ない”?
 2002年から食品衛生コンサルタントとして、ホテルや弁当店の施設を対象に、食中毒対策としての手洗いの徹底指導と検証のため手指のふき取り検査を定期的に行っています。最近のふき取り検査では、黄色ブドウ球菌の検出が目に付きます。大腸菌群数も同時に検査しているのですが、大腸菌群は陰性で黄色ブドウ球菌が陽性というパターンがよく見られるのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。

 結論からいえば、手洗いは十分できているのですが、手の傷や手荒れにより手指に黄色ブドウ球菌が生息しているのです。洗剤、消毒液が強すぎ、爪ブラシのこすり過ぎ、アルコール製剤の使い過ぎといった原因で手荒れの人が増えた結果ではないかと思われます。

 私のふきとり検査の結果をまとめてみると、05年76名(大腸菌群陽性:15人、黄色ブドウ球菌陽性:7人、黄色ブドウ球菌の検出率: 9.2%)、06年(途中経過)51人(大腸菌群陽性:9人、黄色ブドウ球菌陽性:21人、黄色ブドウ球菌の検出率:41.1%)でした。私が顧問をしているCRC食品環衛生研究所の食品関係施設のふき取り検査でも、7月の実施では292人の
うち、黄色ブドウ球菌陽性が41人で、陽性率14.0%と増加傾向を示しまし。ここでも手荒れの人の激増が示唆されています。

 皆様も、目視で手の傷、手荒れの状態を検査をしてください。手荒れが多いようでしたら洗剤を手に優しいものに変えてください。ちなみに花王プロフェッショナル・サービスに照会してみたところ、「花王薬用C&C10泡ハンドウォッシュ」を紹介してもらいました。資料として、「手荒れと手指衛生の科学」(花王化学品研究所日置祐一著)も送っていただきましたので、そこから一部を引用させていただきます。

 「私達の身体に常在する細菌は、各器官に一定の細菌を中心とした微生物が生息しており常在細菌叢と呼んでいます。常在細菌叢は、皮膚、腸内、口腔内常在菌叢含めて感染防御的に働き炎症を起こす菌などに対して拮抗的な働きや増殖を防ぐ働きをする事が知られています。

 手指常在細菌叢に表皮ブドウ球菌があり、この菌は病原性が無く正常皮膚では皮脂の分解産物である脂肪酸によって病原菌の増殖を押さえる働きがあると言われています。

 食中毒を起こす黄色ブドウ球菌はコアグラーゼ陽性で皮膚の損傷部や膿に存在するが、健常な皮膚には常在できない。一般に、付着しただけの細菌は手指上に定着せず手洗いで十分洗い流せるが常在菌は洗い流すことができないと言われている」(引用終わり)

 洗浄力が強いと手の皮脂まで落としてしまい、その上に消毒液を使用す
ると皮膚を保護する常在細菌叢を殺してしまい、手荒れが進行します。つまり、手洗いは汚れやウイルスや病原菌を洗い落とすことを重視して、手指が病原菌の巣窟なならないようような健康な手指を維持するスキンケアが非常に大事にだということです。

 ふき取り検査では、問題のない表皮ブドウ球菌も検出されるため、それを見分けて手荒れや傷の有無を確認することが大切です。
 手指のスキンケアには、保湿、刺激低減を目的に、スキンローション、クリームを用いるとよいでしょう。既に手荒れをおこしている人は、病院で治療するとともに使い捨ての手袋を確実に使用してください。その際に汗で傷口を傷めないように、下に薄い綿の手袋を着用するのもよいかもしれません。ただし、綿の手袋は、汚染しているので、ほかの洗い物とは別に厳重に洗浄消毒しなければなりません。そして、ほかの人には爪ブラシを使わせないよう指導してください。

 以前見学させていただいた熊本の馬刺し工場の千興ファームから、馬油
の試供品を取り寄せてみました。食品工場で手洗いすると、手がカサカサした感じになりますがこの馬油を使うとしっとりした感じになります。馬油とは、馬の脂肪を長時間煮て不純物をろ過した油で、主にアジアを中心に古来より民間医療薬として使されてきたものです。馬油が肌によいといわれる理由は、次の通りです。

 皮膚を作っている細胞の膜は三層からなっています。内側と外側の膜はたんぱく質で、中間の膜は脂肪です。この脂肪が酸化すると細胞の内部への栄養が入らなります。しかし、この中間膜の脂肪が不飽和脂肪酸であれば、細胞は生き生きとしてきますし、皮膚も美しくなります。馬油に多いリノレン酸は飽和脂肪酸(酸化脂肪酸)を不飽和脂肪酸に変える働きがあります。馬油は皮膚内に入り込み、油膜を張って細胞を保護したり、体内に入り込んだ細菌類を油の中に封じ込んで細菌の働きを抑え、細菌の侵入感染やブドウ球菌などの侵入を防ぐ作用があると言われているのです。

 黄色ブドウ球菌の食中毒事件は、衛生管理の向上により、いったんは減少したかのように見えます。しかし、皮肉なことに、過酷な手洗いによりかえって黄色ブドウ球菌の棲家を増やし、黄色ブドウ球菌食中毒の危険性を高めていることも確認されるようになりました。皆様の手指が悲鳴をあげ始めています。自分の大切な手をかわいがりましょう。それが食中毒予防となるのです。

 マニュアルで一端決めたことでも、はたしてきちんと守られているか、きちんと守ることで問題や弊害がないか、チェックすることが大切です。ふき取り検査で検証し不具合を見つけたら手洗い方法や手指のスキンケアで改善していく、PDCA(plan、do、check、act)の真髄です
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

consalmasa

Author:consalmasa
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。