スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

家庭へ世界へと広がる食品衛生監視員の仕事

121 2006年6月4日
家庭へ世界へと広がる食品衛生監視員の仕事
 前回、5月上旬に名古屋で開催された「第11回食の安全を考える集い」について報告いたしました。これは、保健所の食品衛生監視員が自主的に集まって食の安全を考えていこうという主旨の会です。私は毎年参加していますが、最近保健所や食品衛生監視員の役割やあり方が変わってきていることを実感しています。若い食品衛生監視員も頑張っていますし、退職後私と同じような道を目指している食品衛生監視員もいます。今回は、若手の食品衛生監視員の活躍について書いてみます。

 名古屋市健康福祉局食品衛生課食品衛生監視員の大塚清香さんは、市民啓衛生指導車として「クリーンフード号」を持ち、この車で食品衛生教室を開催して市民啓発事業を行っています。教室の移動時間を利用して、食品衛生について楽しく学ぶことができる「食品衛生ビンゴ」をというゲームを作成したそうで、その活用事例について報告されました。

 「食品衛生ビンゴ」は、数字の代わりに食品衛生に関する標語の書かれたカード(標語例参照)を用い、家庭でも食中毒予防法について簡単に学べる内容です。例えば、標語は、「あ」は「あぶないよ、サラダの横で肉の処理」、「い」は「一年を通して起こる食中毒」といった具合です。カードを参加者に引いてもらい、解説を加えてゲームを進めていきます。

 2005年の厚生労働省発表の食中毒発生件数は1545件、患者数2万7019人です。この数字は保健所に届出があり、病因物質が判明したものが中心です。軽症で医療機関にかからなかったり、病因物質の検査をしなかったりで、食中毒は届出をしてないケースが多く厚生労働省発表の数十倍位の患者が発生してると言われており、その中に家庭を原因とするケースが多く含まれていると推定され、家庭での食中毒予防についての市民啓発は重要なテーマです。
 元食品衛生監視員で、現在は東北大学大学院感染症制御・検査診断学分野感染症クライシスマネージメント人材育成プログラムで助手を務める小林幹子さんは、昨年、国立感染症研究所からWHO本部に派遣されて世界の感染症の
報告集計に携わりました。食品衛生監視員は、微生物学的知識を持ち、事故発から原因を追求し、公衆衛生上の予防処置を行い、食中毒事故に対して、因果関係を調べて、行政処分を行うという一連の訓練ができていますので、感染症対策に対しても的確に対応できます。食品衛生監視員が世界規模で活躍されることは素晴らしいことです。また、重大な公衆衛生上の危害の際は食品衛生監視員は保健所にとって有効な戦力となってます。

 この2人に象徴されるように、今の保健所の衛生課の業務は、私が現役の頃の食品関係施設の監視・指導を通して、食品危害を防止するという限られた仕事から、公衆衛生上の危機の際、保健所の使命として求められている市民の健康を守るという危機管理的な仕事へ広がってきました。また、食品添加物、残留農薬、食中毒など市民が抱いている食に対する不安を、市民啓発を通して安心に変えるという役割が重要になってきました。

 そのため、食品関係施設に対してはできるだけ自主的な食品衛生管理を求めるようになっています。その具体策として、危害防止のための情報提供、総合衛生管理製造過程、自治体HACCPなどの普及を図っています。

 また、昨年から実施されているISO22000は、食の安全確保には1カ所だけの衛生管理では不十分で、使用原材料から流通、販売までのフードチェーン全体を見る必要があることを示しています。そのため、消費者に近い川下の大手流通業が、自主的に川上の生産、食品製造業、飲食業の食品衛生管理をチェックを強化する傾向にあります。

 その流れの中でHACCPやISO22000、食品微生物学と専門知識を持った人が
必要となり、食品衛生監視員の持っている経験と知識が一層求められるようなりました。そして、退職後の活躍の場も広がってきました。「集い」の参加者の方でも食品衛生コンサルタントに道を求めている人が増えてきました。こうした方々と同じ道を目指す同士のネットワークを作って、活動の幅をさらに広げていきたいと思います

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

consalmasa

Author:consalmasa
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。