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116 2006年4月2日 米国の食品衛生管理者養成のためのテキストを読む  前回は、日米の食品衛生監視システムを比較して、双方の違いの意味などについて考察してみました。今回は、両国の食品衛生管理者養成のためのテキストを比較することで、さらにそれぞれの意味や意義を深く検討します。比較したテキストは、米国の食品衛生管理資格取得のための講習で使われる「米国食品衛生管理資格者証書」(Food Protection Manager Certification Grade System)と、日本の「食品衛生責任者養成講習会テキスト」です。  両国のテキストは、目的や編集方針の違いが大きく一概にはいえませんが、強いて言えば日本のテキストは、公衆衛生学、食品衛生法、表示、衛生管理、食中毒と総合的な知識が記載されています。  しかし、日本のテキストにはHACCPの記述が少なく「食品の安全性についてあらゆる角度から危害を予測し、危害を管理することができる工程ごとに重点的に衛生管理を行うため、工程全般を通じて食中毒菌等による危害の発生を防止し、製品の安全性を図ることができます」と翻訳調で書かれています。危害を幅広く捉え、実際に多く発生している微生物危害に対する説明も少なく、テキストを読んでも具体的に何をすべきなのかが見えてきません。しかも、 HACCPに対しては、設備が素晴らしいHACCP認定工場とイメージし、ハードルが高く、金がかかる難しいものと捉えています。  一方、米国のテキストは「このHACCPシステムでは、食品の原材料、製造、加工、保存、調理、提供(流通)の各段階で食中毒などの発生が予想される危害を事前に調べ上げ、そうした危険性につながるような作業(重要管理)をいち早く見つけ出し、その作業(調理)の安全確保を目的としています。そして、その管理過程を記録して保管をしておくのが、HACCPシステムでは大変重要な意味をもつことになります」と、HACCPの目的を食中毒防止と明快に位置付け、自分の施設だけでなく、食品の原材料から提供の各段階まで、危害を捉えています。また、米国疾病対策センター(CDC)のデータから食中毒の原因となる要因をパーセントで示し、検査官が定期検査の際に重点的に調べる根拠としています。  それによると、不適切な冷却および不適切な冷蔵保管温度(63%)、予定よりも早過ぎる食品の調理温度(29%)、不適切な保温温度(27%)、従業員の不衛生、病気に感染している従業員(26%)、適正温度に満たない再加熱(25%)、食器、用具類の不適切な洗浄、殺菌(9%)、食品間汚染、汚染された生鮮食品(9%)、残り物の再使用(6%)、不適切な調理または加熱処理(5%)、容器の有毒化学薬品の汚染(4%)、故意の化学添加物、偶発の化学添加物(3%)、認可されていない危険な仕入先(2%)となっています。  さらに、米国公衆衛生局(USPH)は、水分が多く、高たんぱく質な食品ほどバクテリアが付着しやすく、一定の条件下では急速に繁殖し、食中毒の原因になりやすいとして、次の食品に注意を要するよう、呼び掛けています。つまり、ミルク、乳製品、殻付き卵、精肉、家禽類、魚介類、ジャガイモ(煮物、焼き物)、ご飯、甲殻類(エビ、カニ)、豆腐などのダイズ製品、ニンニクと油の混合品、工場で調理された加工品(ダイズなど)、生の種子や芽野菜(モヤシなど)、切り分けられたメロン類、合成食品(パンバーガーの添加物として用いられるダイズたんぱく)などです。  このほかに、コロッケ、ハンバーグ、カレー、刺し身などの調理のHACCPプランを具体的に示したり、原材料の配達受け取りガイドライン、冷蔵庫や冷凍庫の取り扱い方法、食材別の保存方法などをイラスト入りで解説しています。レストランの監視においては、設備や機材といったハードより、作業中の温度管理や作業方法のソフトを重視しています。  米国では、HACCPの理論を当てはめて、危険性につながるような作業を見つけて改善することに絞っています。指導対象のレストランにとって食中毒を防止するという目的が明確で、現場に則した具体的な指導がなされます。インターネットで評価結果が公表されることもあり、最初Cランクであっても、改善してすぐにAランクになるそうです。  米国のテキストを読むと、私がこれまで主張してきた、食中毒のリスクを事前に把握して、食中毒を防止するために何をすべきかの情報を得ることが、いかに効果的なことであるかを再認識いたしました

116 2006年4月2日
米国の食品衛生管理者養成のためのテキストを読む
 前回は、日米の食品衛生監視システムを比較して、双方の違いの意味などについて考察してみました。今回は、両国の食品衛生管理者養成のためのテキストを比較することで、さらにそれぞれの意味や意義を深く検討します。比較したテキストは、米国の食品衛生管理資格取得のための講習で使われる「米国食品衛生管理資格者証書」(Food Protection Manager Certification Grade System)と、日本の「食品衛生責任者養成講習会テキスト」です。

 両国のテキストは、目的や編集方針の違いが大きく一概にはいえませんが、強いて言えば日本のテキストは、公衆衛生学、食品衛生法、表示、衛生管理、食中毒と総合的な知識が記載されています。

 しかし、日本のテキストにはHACCPの記述が少なく「食品の安全性についてあらゆる角度から危害を予測し、危害を管理することができる工程ごとに重点的に衛生管理を行うため、工程全般を通じて食中毒菌等による危害の発生を防止し、製品の安全性を図ることができます」と翻訳調で書かれています。危害を幅広く捉え、実際に多く発生している微生物危害に対する説明も少なく、テキストを読んでも具体的に何をすべきなのかが見えてきません。しかも、 HACCPに対しては、設備が素晴らしいHACCP認定工場とイメージし、ハードルが高く、金がかかる難しいものと捉えています。

 一方、米国のテキストは「このHACCPシステムでは、食品の原材料、製造、加工、保存、調理、提供(流通)の各段階で食中毒などの発生が予想される危害を事前に調べ上げ、そうした危険性につながるような作業(重要管理)をいち早く見つけ出し、その作業(調理)の安全確保を目的としています。そして、その管理過程を記録して保管をしておくのが、HACCPシステムでは大変重要な意味をもつことになります」と、HACCPの目的を食中毒防止と明快に位置付け、自分の施設だけでなく、食品の原材料から提供の各段階まで、危害を捉えています。また、米国疾病対策センター(CDC)のデータから食中毒の原因となる要因をパーセントで示し、検査官が定期検査の際に重点的に調べる根拠としています。

 それによると、不適切な冷却および不適切な冷蔵保管温度(63%)、予定よりも早過ぎる食品の調理温度(29%)、不適切な保温温度(27%)、従業員の不衛生、病気に感染している従業員(26%)、適正温度に満たない再加熱(25%)、食器、用具類の不適切な洗浄、殺菌(9%)、食品間汚染、汚染された生鮮食品(9%)、残り物の再使用(6%)、不適切な調理または加熱処理(5%)、容器の有毒化学薬品の汚染(4%)、故意の化学添加物、偶発の化学添加物(3%)、認可されていない危険な仕入先(2%)となっています。

 さらに、米国公衆衛生局(USPH)は、水分が多く、高たんぱく質な食品ほどバクテリアが付着しやすく、一定の条件下では急速に繁殖し、食中毒の原因になりやすいとして、次の食品に注意を要するよう、呼び掛けています。つまり、ミルク、乳製品、殻付き卵、精肉、家禽類、魚介類、ジャガイモ(煮物、焼き物)、ご飯、甲殻類(エビ、カニ)、豆腐などのダイズ製品、ニンニクと油の混合品、工場で調理された加工品(ダイズなど)、生の種子や芽野菜(モヤシなど)、切り分けられたメロン類、合成食品(パンバーガーの添加物として用いられるダイズたんぱく)などです。

 このほかに、コロッケ、ハンバーグ、カレー、刺し身などの調理のHACCPプランを具体的に示したり、原材料の配達受け取りガイドライン、冷蔵庫や冷凍庫の取り扱い方法、食材別の保存方法などをイラスト入りで解説しています。レストランの監視においては、設備や機材といったハードより、作業中の温度管理や作業方法のソフトを重視しています。

 米国では、HACCPの理論を当てはめて、危険性につながるような作業を見つけて改善することに絞っています。指導対象のレストランにとって食中毒を防止するという目的が明確で、現場に則した具体的な指導がなされます。インターネットで評価結果が公表されることもあり、最初Cランクであっても、改善してすぐにAランクになるそうです。

 米国のテキストを読むと、私がこれまで主張してきた、食中毒のリスクを事前に把握して、食中毒を防止するために何をすべきかの情報を得ることが、いかに効果的なことであるかを再認識いたしました

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