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輸出プログラムは決めるだけではダメ、検証システムの確立を

114 2006年3月5日
輸出プログラムは決めるだけではダメ、検証システムの確立を
 2005年秋、飲食店や食品営業者が守るべき食品衛生上の基準である「食品衛生管理運営基準」を全国の各自治体が改正し、施行されました。この基準についての指導は遅れているようですが、例年5月から6月の間に保健所が主催する食品衛生講習会などで説明されるものと思います。この基準はFAO/WHO合同スタンダードプログラムとしてCodex食品規格委員会が定めた食品衛生の一般原則の内容を参考にして、改正されたものです。

 この食品衛生の一般原則は、「食品衛生基本テキスト第3版」(鶏卵肉情報センター)として、翻訳出版されています。HACCPを学ぶ方はぜひ読んでください。の食品衛生の一般原則は、附属文書として、「危害要因分析必須管理点 (HACCP)システムおよびその適用のためのガイドライン」があり、ISO22000を始め国際的なHACCPの基本テキストとなっています。そこで、参考とされた食品衛生の一般原則から改正「食品衛生管理運営基準」を見てみましょう。

 食品衛生の一般原則には「効果的なコントロールシステムの設計、実施、モニタリングおよび見直しを行う」「コントロール手順をモニターする:そして定期的にコントロール手順を見直す」とあります。つまり、改善をめて常に一歩前進しなさいという意味を持った進行形になっているのです。

 各自治体が改正した「食品衛生管理運営基準」の大きな改正個所は、「衛生上の管理運営」は、具体的な要綱を作り、清掃、洗浄、消毒および殺菌などの方法を定めた手順書の作成、従事者に周知徹底させて、定期的に製品検査、ふき取り検査などを実施して、施設の衛生状態を確認するなど、衛生管理状況を検証し、必要に応じてその内容を見直すものとする」というくだりです。

 衛生管理の方法として、計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)の品質管理の手法であるPDCAサイクルの取り入れを示しているのです。従来は「基準通りにしなさい」という計画(plan)、実行(do)まででしたが、それを「検証し現場に合うように改善見直しをしなさい」といったマネジメントシステムが盛り込まれているところが特徴です。

 Codexが示している食品衛生の一般原則の目標(目的)に、食品の安全性を高める方法としてHACCPを基礎とした手法を推奨するとあります。これは、一般衛生の段階でHA(Hazard Analysis)の考え方を入れて、予め危害要因を知って危害を避ける手法です。今、最大の微生物危害としてはノロウイルスがあり、この危害を避ける手法として、個人衛生、特に手洗いが重要となってきます。

 例えば、手洗いのマニュアルは手洗い器の前に貼ります。そこには、指、腕を洗う。(30秒程度)、石けんをよく洗い流す(20秒程度)と書かれていることが多いようです。では、手洗い器が3器あり、従事者が30人の事業所の場合、マニュアル通りするとどうなるでしょう。ベルが鳴ってから始めると、手洗いに8分かかります。休憩時間が8分ですから、マニュアル通りに手洗いに時間をかけていると、休憩時間が終わってしまいます。つまり、マニュアル通りにはなされていないのです。

 そこで考えてみましょう。手洗いをしっかりする目的はなんでしょう。それは「手を綺麗にする」「手を介しての病原菌を防ぐ」「商品である食品の安全を確保する」ことです。では、手から汚染の危害が予測される病原物質はなんでしょう。それは、ノロウイルス、黄色ブドウ球菌、サルモネラです。

 では、どのタイミングの手洗いが重要なのでしょうか。答えは、「トイレ後、始業時、肉や魚の食材に接触後」です。黄色ブドウ球菌の場合は、手荒れしないような石鹸や消毒液を考慮する必要があります。

 つまり、危害を予防するための手洗いは、どんな方法でどんなタイミングが重要なのかを教えて、考えさせ、実行させることが必要です。また、その企業に見合った方法を採用することも忘れてはなりません。定期的にふき取り検査を実施して、手洗いの方法が正しいか、きちんとできているかを検証し、改善見直しを進めていきます。手洗い器が設置されていて、洗剤、消毒液があり、マニュアルが張ってあればOKではなく、一人ひとりが手洗いの目的を理解し、確実に実行する職場の雰囲気づくりや、自覚して行うことが大切なのです。

 そのためには、品質管理担当者が重要な役割を演じることになります。品質管理担当者は現場のリーダーと協力して微生物検査で洗浄や消毒の効果を測定し、そのデータを現場にフィードバックします。改善するためには現場で考えることです。

 ところで、輸入した米国産牛肉に特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入していた問題は、米国の検査官らが「除去する必要性を認識していなかった」ことが分かりました。先週の拙稿で「輸入条件の輸出プログラムが守られているかは、相手国の企業がHACCPシステムにこの輸出プログラムを当てはめて、輸入者がHACCPの衛生管理水準を評価し適正と確認するか、相手国政府や第3者機関が衛生管理水準を評価することで、安全を確保することになります」と書きました。

 しかし、今回の事件は、検査官や相手企業は「認識していなかった」とか「安全性には問題ない」とコメントを出しているように、輸入条件が守られていませんでした。システムの中に輸出プログラムが入ってないことを示しています。輸出プログラムは決めるだけではダメで、実行されているかどうかの記録、検証のシステムを確立することが必要です。
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