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ハードは建前、ソフトこそが実質的な衛生管理につながる

113 2006年2月19日
ハードは建前、ソフトこそが実質的な衛生管理につながる
 全国のビジネスホテルチェーンの社長が、条例違反の無断改築の件で「60km/hの道路を67~68km/hで走った程度の問題」と気楽に記者会見で話して順法精神の無さに顰蹙を買ってました。同様なことは飲食店にもあります。飲食店の施設基準では、手洗い器を必須としていますので新規調査の時は付いていますが、次に立ち入りした調査した時は取っ払われているいる店が結構あったものです。

 実は食品監視員時代の私は、使えない位置に専用手洗い器を付けていても許可を出していました。手を洗うという目的から見ると、店の業態や規模により専用手洗い器でなくてもお湯の出るシンクで確実に手を洗うことができればよいはずですが、法規では建前として、ハードとしての専用手洗い器を求めていたのです。

 Codex委員会が定めた食品衛生の一般原則に、オペレーション(操作)という項目があります。ISO22000におけるHACCPはこの食品衛生の一般原則を使っており、ISO22000のオペレーションPRPの基本的考え方です。つまり、設備や機器のハードでなく、操作というソフトで危害を防ぐ方法です。

 そこには(1)食中毒などの危害をコントロールするため、オペレーション(操作) において、食品の安全確保に必須なステップを特定し、それらのステップに効果的なコントロール手順を実施する(2)それらの継続的な効果を確実にするためのコントロール手順をモニターする(3)定期的にコントロール手順を見直す----と記述されています。

 つまり、どういう危害が発生する可能性があるかを調べて、その危害を予防するための作業手順を決めて、教育し、実行をモニタリング、ふきとり検査などで検証し、見直すこと、と一連のオペレーションが継続的に効果的に行われることを目指しています。

 日本は建前重視のため、設備があって、施設検査さえ合格すればよいという考えに陥りがちです。法律や条例、規則の意味を考えず、何のためにするのかという目的を考えていないケースが多く見受けられまます。

 昨年秋に各自治体により改正された、飲食店や食品営業者が守るべき食品衛生上の基準である「食品衛生管理運営基準」には、作業手順書の作成、その教育、ふき取り検査等の検証、作業手順書の見直しが盛り込まれており、作業のやり方を規定するオペレーションPRPの考えを取り入れていますが、 ISO22000の考え方を理解して危害を防止するためにどうするかを考えていかないと改正の意義がわからないかもしれません。

 Codexにおける食品衛生の一般原則は国際基準ですので、国際取引に使用するようになっています。第一次生産から最終消費までのフードチェーンについて記述しており、各段階で鍵となる衛生コントロールに焦点を当てています。

 「食品衛生管理運営基準」の基である、厚生労働省が出した食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)には、「第1農林水産物の採取における衛生管理」とあります。しかし、改正された「食品衛生管理運営基準」では、この条文はカットされてしまったのです。条例化する時、生活衛生部局の食品衛生条例が、農水部局まで規制するのは難しいということから外されたようです。

 とはいえ、過去の事例を見る限り食中毒などの危害防止には、使用する食材の管理や輸送、販売といった入口と出口がつながるフードチェーンでの管理をしっかりしないと危害を防ぐことはできないことが分かります。雪印乳業のブドウ球菌食中毒は、同社の北海道工場の原材料の脱脂粉乳でした。停電で長時間操業が停止している間に黄色ブドウ球菌が増殖し、熱で分解されないエンテロトキシンを産生し、脱脂粉乳に含まれてしまったのです。

 さらに、生カキによるノロウイルス食中毒、鶏のレバーや鶏刺しによるカンピロバクター食中毒などと、原材料由来食中毒が多く発生しています。これらを見れば、自分の所だけ一生懸命管理しても駄目だということが分かるでしょう。フードチェーン全体で考えることが大切なのです。

 HACCP(危害要因重点管理点)のHA(Hazard Analysis)は、あらかじめ危害要因を知ってそれを避ける方法を見つけることです。食品から危害を除去する方法、例えば中心温度を守ればその食品に付いている病原菌は死滅しますのでCCP(Critical Control Points=重要管理点)として防ぐことができますが、製造現場からその危害が低減でき、モニタリングの結果、逸脱しており、それが是正できるなら、オペレーションPRPで危害を予防することになります。

 ノロウイルスのように従事者から危害が侵入すると予想すれば、従事者の健康状態のチェックや手洗いをオペレーションPRPに入れて確実に実行する。原材料由来の危害は、安全な食材を選ぶことと納品時のチェックの方法を決める。病原微生物に対する危害は、洗ったり消毒して危害を除き、温度と時間を管理して病原微生物を増殖させないことなど、危害を効果的に防止できるオペレーションPRPとして、確実に実施していることをモニタリングし、建前でなく効果的に出来ているかを検証し、改善見直しを継続することです。
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