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野菜・果物の消毒は既に効力がない「つもり消毒」に注意

109 2005年12月4日
野菜・果物の消毒は既に効力がない「つもり消毒」に注意
 野菜や果物は、水洗いによりある程度菌は除去されますが、年少者、高齢者、虚弱者の、食事や喫食までの時間が長い料理に使用する生食用野菜は消毒が必要です。消毒にからむ問題点は、すでに効力がなくなっている消毒液で消毒したつもりになっている「つもり消毒」と消毒後の管理不良による菌の増殖です。消毒したから大丈夫ではなく、消毒途中の濃度チェックと消毒後、喫食時の細菌検査で検証して、見直すことが大切です。

 大量調理施設衛生管理マニュアルでは、野菜や果物を加熱せずに提供する場合の殺菌の仕方は、「野菜・果物を流水で十分洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウムの200mg/Lの溶液に5分間、100mg/Lの溶液の場合は10分間又はこれと同等の効果を有する食品添加物として使用できる有機酸等で殺菌を行った後、十分な流水ですすぎ洗いを行うこと」と規定しています。

 次亜塩素酸ナトリウムの殺菌のメカニズムは、「発生期の酸素」によるものではなく、「次亜塩素酸(HClO)」自身が細菌の細胞壁や細胞膜、細胞組織の化学的性質を変化させたり、分解させ、細菌の活動に欠くことのできない「酵素」を破壊することによるものです。

 次亜塩素酸ナトリウム溶液は、pHに応じて平衡作用により状態が変わり、pH約5では次亜塩素酸(HClO)がほぼ100%占めており、pHが高くなるに従って、HClO量が減少して次亜塩素酸イオン(CIO)が増加します。pHを5付近では殺菌速度が高くなり、かつ殺菌力も強くなりますので、この状態で塩素殺菌をします。原液の次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性ですので、希釈濃度を高くするとpHが高くなり、逆に殺菌力は落ちてきてしまいます。次亜塩素酸ナトリウムは強力な酸化剤であり、有機物である汚れと反応すると効力が落ちますので、消毒できる量に限度があります。

 つまり、希釈濃度を高くするとpHが高くなり効力が落ちてきますので、次亜塩素酸ナトリウムの追加は効果的ではありません。むしろ、酸を加えて pHを下げて消毒作用を引き出し、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を低くし、早めに消毒液を作り替えた方が「つもり消毒」を防ぐことができます。なお、次亜塩素酸ナトリウムの原液には「まぜるな危険」の注意表示があります。決して原液には酸を入れないでください。希釈液を作って希釈液の方に酸を加えてください。

 では、効果的な生食用野菜の消毒の作業手順を考えてみましょう。まず最初は100mg/Lの溶液を作り、残留塩素とpHを測定してください。野菜を10分間漬けて消毒後、再び残留塩素とpHを測定してください。次に、次亜塩素酸ナトリウムを100mg/Lの溶液にpH5になるように酢を入れて同じように測定してください。消毒した直後の野菜と喫食時間まで保存した野菜は大腸菌群数の簡易検査をして効果を検証してください。濃度を変えて現場に合った消毒方法を決めてください。

 ちなみに、市販のお弁当の生野菜の一般生菌数は非常に高いことが多いようです。高濃度の残留塩素を測定するには、「残留塩素100」(テックジャム)が便利です。pHの測定は万能試験紙で行うこともできます。
http://www.tech-jam.com/items/SB-8052-315.phtml

 野菜の消毒には酢を使う方法もあります。食酢の持つ抗菌力を生かし、野菜の表面に付着している細菌類を洗い流すというものです。pHに敏感な大腸菌群は効果があり、衛生指標としての大腸菌群数を減らす効果があります。それに、食酢ですから安全です。消毒用としてSSV(加工酢)酸度10%が販売されています。葉物は20倍希釈、そのほかの野菜は15倍希釈して、15分浸漬します。市販の酢でも酸度を確認して濃度を調整すればOKです。

記事参照:キユーピー醸造、商品紹介「食酢」
http://www.kewpie-jyozo.co.jp/content_product04.html

 学校給食では、野菜を加熱して提供するケースが多いようです。本来生食用の野菜や果物を加熱するわけですから、細菌を殺して生食用の感じを残すためには、温度と加熱時間の設定や加熱後速やかに衛生的に冷却するというシビアな作業手順を必要とします。

 洗浄・消毒された野菜果物は低温を保持することが基本です。薬剤による表面の殺菌を行っても、農作物内部や凹凸に潜む細菌を完全に除去することはできません。カット野菜の場合、菌数を常に1万/g以下を維持することは困難とも言われています。

 洗浄・消毒前の野菜などはさまざまな菌が多く付着しており、ミクロフローラ(細菌叢)を形成していて、細菌が競争状態にあります。ここでは、
特定の食中毒菌だけが増殖するには抵抗がありますが、消毒後に病原微生が汚染しますと対抗する菌がいませんので急速に増殖することになります。特に加熱による消毒は、表面組織を破壊していますので、菌が増殖しやすい環境になり、低温保持の徹底が大切です。食用の酢を使う消毒法は洗浄後も制菌作用が残りますので、提供時間が長い食材には有効でしょう。

 以上のように「流水で洗浄し、次亜塩素酸ナトリウムの200mg/Lの溶液に5分間、100mg/Lの溶液の場合は10分間又はこれと同等の効果を有する有機酸等で殺菌」とマニュアルにあっても、野菜の使用形態、食数、調理設備などを考慮してその調理場に合った方法を喫食する際にどの程度の一般細菌数であるのかを検証して、現場に合った効果的な方法に見直すことが求められています。

 なお、本稿を執筆するに当たり、「生食用野菜・果物の洗浄・消毒方法について」日本食品洗浄剤衛生協会より)」の洗浄・消毒方法別による各工程の一般細菌数を参考にしました。

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