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ボタン型温度計を使って食中毒菌の増殖を予知しよう

103 2005年9月4日
ボタン型温度計を使って食中毒菌の増殖を予知しよう
 連日暑い日が続きますと、「お弁当が臭う」「おかずが酸っぱい」とか「味がおかしい」という苦情がよく発生します。先日、ある総菜屋さんで調理した「きんぴらごぼう」がにおうという苦情の指導を行いました。今回は、ボタン型温度計を使って、時間と温度の検証を行って問題点を探り、より良い作業手順を定める方法について書いてみます。

 苦情品の細菌検査結果は一般細菌数1000万/1gで、完全に腐敗状態でした。もし、食中毒菌が付いていたら食中毒を発生させています。状況を聞くと、「いつもと同じように十分加熱して調理して、冷蔵保存しているのにおかしいなぁ」という返事です。さらに詳しく調理した時間や保存方法を聞くと
(1)前日午後3時頃、鍋できんぴらごぼうを調理
(2)密閉容器に移し替え棚に置いて冷却
(3)冷蔵庫に保管
(4)翌朝8時に弁当調整し、販売台に陳列して販売----。

 食中毒予防の3原則の1つに、「菌を増やさない」という項目があります。つまり、菌が繁殖しやすい20℃から50℃の温度帯に長く置かないことです。そこで、きんぴらごぼうを調理してから販売するまでの温度と時間を、ボタン型温度計を使って測定し、検証してみました。

 ボタン型温度計は、5分間隔で設定すれば、時間と温度を連続的に約1週間測定することができる優れものです。このボタン型温度計を清潔なビニール袋に包み食材の密閉容器に入れ、販売終了時まで連続的に測定しました。

 測定結果は、密閉容器に移して放置し、あら熱を取る段階、つまり気温と同じ30℃までに1時間、冷蔵庫に入れて20℃になるまで3時間(大量調理施設衛生管理マニュアルでは30分以内)、さらに、冷蔵庫中での温度が10℃になるまでに5時間から6時間(同マニュアル60分以内)かかっていました。

 これでは、冷蔵庫に保存しても20℃から50℃の温度帯通過は3時間かかっており、細菌はかなり増殖してしまいます。気温が高い時の冷蔵庫の過信は禁物です。なお、弁当を店頭で並べる販売台の温度は10℃以下を保持しており、問題は見つかりませんでした。

 加熱調理した食品を保存し、数時間後に提供する弁当、煮物、和え物、ポテトサラダなどは、この温度帯を素早く通過させる「放冷」という手法が、病原微生物の増殖を抑え、食品の危害防止、品質保持の観点で大変重要です。

 作業手順の見直しは、気温の高い時期の放冷時間を短くすることがポイントです。まとめると、次のようになります。(1)水、氷、保冷剤を使用して、冷蔵庫で保存可能な20℃程度まで、短時間に冷やす(2)食材の量や気温を考えて小分けするなど、効果的な保管方法を考える(3)ブラストチラーなど、ハード面で対応する(4)当日朝の調理を数回に分けたり、再加熱するなどして、喫食するまでの時間を短くする----。

 以上のように問題点と対策を考えることで、営業者は、営業形態、調理場、従事者の状況に応じて品温測定、細菌検査を行い、作業手順を検証し、見直し作業を続けることで、その現場に合った、より良い製品を作るための作業手順書を作ることができます。その際に、作業手順書を作る段階で現場の人の意見を入れ決めたことがきちんと守れるようにすることが重要です。検証データは設備投資の優先順位の判断材料となり、ステップを踏んで改善することができます。

 「菌を増やさない」ための作業手順は、危害を少なくするだけでなく、品質を向上させて消費期限を延ばすことができ、営業面でも効果を生みます。個々の作業手順の中に潜んでいるかもしれない危害要因を見つけ、予防措置を考えることは有効です。作業手順というプランを立て、それが実行(ドゥ)できるように教育訓練し、検証(チェック)し、改善(アクト)を行うというPDCAサイクルは衛生管理だけにとどまらず、その事業が発展するための効果的な手法と言えます。
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