スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ウエルシュ菌食中毒は温度・時間管理に注意

102 2005年8月21日
ウエルシュ菌食中毒は温度・時間管理に注意
 生ものは危なくて、加熱したものは大丈夫との思いこみがありますが、食中毒菌は色々な性質を持っていて、必ずしも加熱したからよいとは言えないものもあります。黄色ブドウ球菌は熱に強いエンテロトキシンという毒素を産生しますし、ウエルシュ菌やセレウス菌は熱に強い芽胞を作り、十分に加熱された食品でも後の温度管理が悪いと、再び繁殖して食中毒を起こすことがあります。

 保健所勤務時代のある日、「N老人病院から電話で入院患者が下痢をしている。食中毒だろうか」という相談がありました。一応調査してみようということになり検便を実施したところ、全員からウエルシュ菌が検出されました。普通の食中毒ならこれで食中毒となるのですが、ウエルシュ菌は高齢者ならほとんど持っている常在菌です。そのウエルシュ菌が病原性を持っているかを調べると半数が毒素産生菌でしたので、下痢症状の病因物質はウエルシュ菌と判明しました。

 症状のある方の病棟毎の分布に差がなく、発症時間はほぼ同じ時間に集中し、単一暴露でしたので、病院給食による食中毒が疑われました。保存食を検査したところ、前日の朝食のマグロフレークのごま煮からウエルシュ菌(毒素産生菌)が検出されました。なお、当時の検査技術では食材からウエルシュ菌(毒素産生菌)を検出することは難しいことでした。これで、原因施設と原因食が確定しました。

 食中毒を起こした原因は、マニュアルには前日調理を禁じているにもかかわらず、前日の午後3時頃から仕込みをはじめていたことにありました。しかも、回転釜に調理した大鍋を入れて冷却したのですが、回転釜の底は丸くなっているため大鍋の底部一部しか水が当たらず、中心部が冷え切らない状態で一晩放置してしまったのです。ウエルシュ菌の芽胞は、100℃4時間以上の加熱でも死滅しません。中心温度が20℃~50℃で嫌気性雰囲気の状態で芽胞が発芽して増殖型となり、増え始めます。

 一晩放置した鍋は翌朝再加熱するのですが、大鍋のため十分に熱が行き届きません。さらに、老人病院は熱い食事は食事介護があるため嫌いますので、再加熱というより暖めるという感覚です。しかも温蔵配膳車の温度も低めに設定されていて、ウエルシュ菌が死滅するまでの温度には上がっていませんでした。マニュアルには前日調理禁止や冷却の方法を書いてはいますが、現場にその意味が十分に伝わっていなかったことが、食中毒の原因です。

 同じ年に起こったウエルシュ菌食中毒は、レストランのバイキング料理の「ソーセージと鶏肉のトマトソース煮」が原因食として、ウエルシュ菌が検出されました。ウエルシュ菌が繁殖した原因は、バイキング型式で固形燃料加熱式の湯煎に入れ50℃程度で加熱しながら提供していたことにあります。閑散時には長時間この状態が保持されるため、ウエルシュ菌の芽胞が増殖したものと推定されました。湯煎で提供する料理は継ぎ足しを止めて新しくものと交換するか、再加熱をしてから提供することが不可欠です。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

consalmasa

Author:consalmasa
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。