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O-157検出事例の教訓「知ることが最大の予防法」

101 2005年8月7日
O-157検出事例の教訓「知ることが最大の予防法」
 北海道様似町の特別養護老人ホームで発生した腸管出血性大腸菌O-157集団感染で、4人が死亡する事件が起こりました。当局は、感染症と食中毒の両面から調査を進めています。また、「埼玉県が焼き肉店などを対象に実施した緊急一斉監視で、調査した298施設中59施設が生食用でない肉やレバーを生食用として提供・販売していた」との報道もありました。

 6月28日、食品安全委員会の安全モニター会議が福岡で開催されました。今回は寺田委員長がおみえになり、「リスク分析の枠組と食品安全委員会の取組について」と題する講演もありました。その後の意見交換で、私は北海道の老人福祉で起こったO-157による死亡事件について質問しました。
「リスクコミニケーションのテーマとして、BSEや食品添加物などリスクの低いものが取り上げられていますが、現実に起こっているハイリスクの病原微生物に対するリスクコミニケーションが不足しているのではないか、この方面にもっと力を入れるべきではないでしょうか」。

 寺田委員長は「北海道の福祉施設の死亡事故について、食品安全委員会も調査結果を注目している。労働厚生省の担当ではあるが、重要なことなどで今後食品安全委員会も積極的に意見を言って出していきたい」と説明されました。

 O157は牛の腸管内にいます。生食用の食肉が感染源となることが多く、レバ刺しや牛の生やタタキがリスクがたいへん高く、5月から10月くらいによく発生しています。また、野菜からの感染もみられます。

 1996年、堺市の学校給食を中心にO-157食中毒が頻発した頃、研究者の間で
はO-157菌が牛の腸管内に生息していることは分かっていましたが、一般には知れていませんでした。そのため、どんな食品のリスクが高いのか報道されていません。最初に食材からO-157菌が検出されたのは、96 年7月に食中毒関連調査で見つかったおかかサラダからでした。

 厚生労働省のホームページに食品などからO-157が検出された例を見ることができます。96年のデータを見ると、福岡市の検出例の多いことが目立ちます。上から4番目と5番目の「牛せんまい」と「牛レバー」が、一斉調査で見つかっていることが分かります。私は当時、保健所の食品係長でした。その頃、検査担当の食品微生物係長と「牛の腸管内に4.5%もいるのなら市販のホルモンやレバーの内臓肉を検査したら、見つかるのじゃないの」と話していました。

 保健所には食品の一斉調査の枠が30検体分位あり、別の保健所にも協力してもらって、50検体の収去検査(行政検査)を行いました。その時はまだ 2件目の神奈川県の牛レバーは発表されていませんでした。O-157食中毒を予防するためには、リスクの高い食品を明確にする必要があります。研究者だけ知っていても駄目だと思っていました。

 食材の「牛せんまい」と「牛レバー」からO-157が見つかったと発表してから保健環境研究所や福岡県本庁には、マスコミ取材が殺到しました。関係業者や他県との問い合わせなどで本庁は大変だったそうです。はっきり言って、「なんてよけいなことをしてくれるのだ」とばかりに睨まれました。

 しばらく経ってから、当時の本庁の職員から「牛の内臓をあれだけの数一斉に検査すれば検出されるさ。なぜ、あんな出しゃばったことをしたのか。いずれどこかの県で牛の内臓肉から検出されるよ」と言われたこともあります。

 確かに、関係者は知っていました。検査すれば検出されることが予想できました。結果を恐れて「臭い物には蓋」状態でした。しかし、検査して結果を出さなければ、マスコミも報道できません。報道できなければ知らせることはできません。O-157は子ども、高齢者、病弱な人は重篤な症状に陥り、死亡する危険性があります。とにかく、「知ることが最大の予防法」ということを、あらためて認識しましょう。
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