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水軍の長崎・松浦港で取り組む腸炎ビブリオ撃退法

100 2005年7月17日
水軍の長崎・松浦港で取り組む腸炎ビブリオ撃退法
 前回、カンピロバクター食中毒が急増していることをお伝えしましたが、これとは逆に、腸炎ビブリオ食中毒は激減しています。それでも、未だに魚介はリスクが高いと思っている人は多いようです。昔は、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌が3大食中毒と言われたものです。それが腸炎ビブリ
オ食中毒は1998年の839件をピークに、04年は196件と約4分の1に減少しました。今回は、その辺りを経験的に考察しましょう。

 96年、堺市の学校給食を中心に病原性大腸菌O-157食中毒事件が発生し、「生ものは危ない」との報道が相次ぎました。これにより、「食中毒=生もの=刺し身」とのイメージが広がり、お魚屋さん、料理屋さんの売り上げが急落し大変苦労されました。いわゆる風評被害です。

 O-157の生息場所は主に牛の腸ですから、海の魚についてはO-157のリスクはないはずです。しかし、腸炎ビブリオの食中毒は多く発生しており、O-157食中毒には関係なくとも、魚介類は安全だとはとても反論出来ない状況となってしまっていたのです。
 その後、2000年から腸炎ビブリオによる食中毒事件は減少しています。
腸炎ビブリオは海域にいますので、真水に弱いという性質があります。魚をさばく時、真水でよく洗うことで、腸炎ビブリオを減らすことができます。腸炎ビブリオのもう1つの特徴である増殖スピードが早い(足が早い)ことに注意し、室温に置かない、冷蔵庫に保管して食べる直前に提供するという「付けない」「増やさない」注意をお魚屋さん、料理屋さんが徹底されたことが、減少につながったのだと思います。

 しかし、生産から流通過程が原因と推定される食中毒は続いていました。99年6月、7月に福岡県を中心に同時多発的に腸炎ビブリオ食中毒が発生しました。福岡市でも1週間で11件の腸炎ビブリオが発生しています。結論として、輸入物のウニが原因でした。食中毒調査の時点では、患者が食べたウニはなく、たくさんの刺し身などと一緒に喫食しただけでしたので、輸入物のウニが原因と決めるだけの証拠は出ませんでした。ところが、ウニの輸入をストップするとピタリと食中毒が止まったのです。

 01年、「腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格」が改正になり、加工基準、保存基準、表示基準が制定され、加工に当たっては、飲用に適する水を使用すること、ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水または人工海水を使用すること、と決まりました。

 ところで、今年5月に長崎県松浦市に行きました。松浦は松浦党という水軍が活躍するなど昔から海に開かれていた土地です。西日本魚市の常務さんの案内で魚市場を早朝5時に見学しました。松浦漁港はアジ、サバの水揚げが多く、特にアジの漁獲高が日本一ということでした。なぜ、市場から遠い松浦が日本一なのかと、興味深く見学しました。

 漁港では、漁船から大きな網でアジ、サバが次々荷揚げされ、選別用コンベアに流れていきます。魚の洗浄は人工海水を使っていました。漁港には大量の魚介類が集まってきますので当然、漁港付近の海水には魚に付着してきた腸炎ビブリオ菌が濃厚にあると推測されます。それが、基準改正でその海水を使わなくなったことにより、02年からの腸炎ビブリオ食中毒の一段の減少につながったのだと思います。

 西日本魚市は大きなドーム型のパック工場を備えています。魚の洗浄を人工海水を使い、さらにオゾン水で仕上げて出荷していました。市場から遠くても、漁場に近い場所で衛生管理をしっかりして腸炎ビブリオ菌や腐敗菌を減らす方が、漁船で遠い市場に運ぶより鮮度が保てるのです。

 昨年の夏は猛暑でした。全体の傾向として腸炎ビブリオ食中毒事件が減っているとはいえ、7月後半から9月半ばまで多発したのです。今年も既に真夏日を迎え、心配も予想されます。魚をさばく時に真水でよく洗うことと温度管理には十分注意してください。同じ生の刺し身でも、鶏などの食肉と魚介類は扱いが違います。魚介類の安全を確保する技術と知識を関係者で共有し、衛生管理につとめましょう。
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