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食の最大のリスクは食料不足、飢餓です

165 2008年4月6日
食の最大のリスクは食料不足、飢餓です
 消費期限、賞味期限を科学的知見により決められた正確なものと思っていませんか?養鶏場、ハムソーセージ工場、コンビニ向け総菜工場、大手スーパーマーケット厨房などの食の現場で品質管理に携わってきた河岸宏和氏は自著『食の安全はどこまで信用できるのか』(アスキー新書)で、「多くの業者は『何となく』付けている。『一番売れているあの業者と一緒にしよう』とか『まぁ、○日ぐらいは持つだろう』といった具合に、極めてずざんに期限を決めてしまう業者が多い」と語っています。多くの「何となく」付けた期限表示で日本国中振り回されて、まだおいしく、安全に食べられるはずの食物が大量に廃棄され続けているのです。

 昨年の食品の偽装表示事件では賞味期限の改ざんがありました。ではなぜ、賞味期限を「何となく」付けたり、改ざんをするのでしょう。消費者は、期限の長い商品には合成保存料が違法に使用されている、期間の短い商品が優良だとの思い込みがあり、長い賞味期限は付け難い状況です。また、賞味期限は自主的に付けられますので、期限を短くしても違反ではありませんし、期限が来たら廃棄され、商品の回転が良くなるという営業上のメリットがあります。

 適正に長い賞味期限は、保存試験や厳しい食品衛生管理や食品の保存技術を必要とし、クレーム発生というリスクが増し、その割に努力が報われないためです。短い賞味期限は安全率を多く見ていますので付け替えを行なっても安全性にまったく問題ないことを業者は知っています。

 今、「消費期限」と「賞味期限」の2種類の食品の期限表示について、安全に食べられる期限を示す消費期限を原則として表示し、製造年月日を併記する方向で食品表示の見直しを行なわれています。一見、表示の分かりにくさを解消するという消費者の期待の応える形に見えます。しかし、本来は「賞味期限」はおいしく食べられる期間であり、期限切れの食品でもすぐに危険になるわけではなく、喫食するかどうかは消費者の判断となっています。

 一方「消費期限」は安全に食べられる期限で厳格に守る必要があります。これを統一して「消費期限」にすると、期限の切れた食品は厳格に守るため「廃棄しなさい」と命じる意味になります。何となく付けている短めの賞味期限でまだ安全な食品を国が「廃棄しなさい」と命じることになり、私にはゴミを増やし食料不足を助長する悪法だと思います。

 さらに、製造年月日を併記すると消費者の新鮮嗜好から古い製造年月日の商品は売れなくなります。製造年月日表示のころ食品衛生監視員として、食品業者の指導をしていました。本音も聞いています。安全な優良食品でも隣の食品より古いだけで売れないのです。背に腹は変えられません。先付け表示、表示の付け替え、販売店での印字といった違反が激増します。犯罪を作り出すような法律はいけません。これは長年の食品衛生監視員の経験からの意見です。結局、国際基準でないとの理由で製造日義務化は見送りになりました。当然です。

 では、どのようにすればよいでしょうか。食品のライフサイクルを延ばす方向で、国、食品製造者、食品流通業者、消費者、マスコミが連携をとり、「食の安全と食のもったいない」運動を起すのです。それには、正確な情報と教育が必要です。先ず、短い賞味期限の食品より、長い賞味期限に表示した食品が優位であるようにすることです。他社より長い賞味期限を付けることが営業上の利益につながるようにします。衛生管理や技術が適正に評価されるように情報を開示し衛生管理の状況を見せることです。

 「長期=良品」をアピールし、消費者もそれを理解して「長期=良品」を選択するようにするのです。消費者の意識改革で、食品のライフサイクルは伸びます。短い賞味期限は何となく付けることができますが、長い賞味期限はクレーム発生の可能性がありますので、衛生管理の向上や正確な保存試験など企業の努力を要求し、品質競争が盛んになって食品企業は良い方向に発展し、「食の安全」は高まります。

 原材料表示ばどの安全性には何の問題もない、ごく軽い表示ミスでも自主回収、自主廃棄処分され多くの食料資源が無駄となっています。これは、処理ルールがないことが原因です。保健所はルールががいためジャッジが行なえず自主判断に任せます。事業者は過去の同様の事例を踏襲せざるを得ないためです。あらかじめガイドラインなどで自主的な回収、廃棄のルールを国が作成しておくと、無駄な廃棄が少なくなります。

 中国のギョーザ中毒事件をきっかけに、中国からのすべての輸入食品が消費者に敬遠されています。この事件の犯人は不明ですが、人為的に入れられた犯罪で、食品衛生管理上の問題ではないと判断されています。人為的に入れられた犯罪であれば、衛生管理とは別の問題で、特に中国製品全部が危ないとは言えないと思います。国内の食品産業でも多くの外国人労働者が食品企業に従事しています。

 先日、「食中毒と衛生管理セミナー」でニチレイ品質保証部の方の講演をお聞きました。ニチレイは中国とタイに海外の食品工場を持ち、原料から生産、流通まで万全な管理を行なっており、国産、中国産であろうとニチレイの系列工場の製品は品質がしっかりしていることが分かりました。中国産、国産の選別より、取り扱っている企業名で選ぶことが有効だと思います。私は中国のすべての食品が安全だとは思っていませんが、生協や日本のメーカーや商社が食品工場の管理や監査を行なっている日本向け扱い食品は安全だと思います。

 また、以前の拙稿「日本が輸入している中国製食品は安全です」に書きましたが、日本向けの食品工場はHACCPで管理され、中国国家品質監督検査検疫総局(CIQ)の査察を受けて合格した企業の商品のダンボールにCIQマークを付けています。CIQマールの付いた商品は安全だと私は思っています。

 人類の食に関するの最大のリスクは、歴史的に見ても食料不足、飢餓です。日本でも1934年(昭和9年)、45年(昭和20年)に発生しています。そんなに大昔の話ではありません。地球規模で見ると、飢餓状態にある地域はたくさんあります。私は44年、終戦の前の年生まれですので、戦後の食料危機を少しは知っています。現在、食料自給率39%の日本は、おいしく、安全に食べられるはずの食料を、不安心理から安易に廃棄し、食の最大のリスクである食料危機に、1歩づつ向かっているのです。その結果「食の安全」が侵されていいのでしょうか。真剣に考える時です。

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