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期限表示の「ごまかし」をなくすために検査室を作りましょう

156 2007年12月2日
期限表示の「ごまかし」をなくすために検査室を作りましょう
 赤福の事件以来、製造年月日や消費期限、賞味期限の偽装表示が続いています。なぜ、期限表示を付け替えるという違反が続くのでしょう。経営者は自社の商品知識はありますので、表示を付け替えて期限表示を延ばしても、味は変わらず危険性もないと思っていました。それに、これまで日常的に行なってきて、お客も分からなかったので、ごまかしているという認識すらなかったからではないでしょうか。マスコミに報道されてはじめて、「どうしてうちの会社なの?」とびっくりしたのが大方の経営者たちです。

 一連の事件で製造年月日や消費期限、賞味期限の取り扱いについて、マスコミが報じた内容に一部誤認があるので、ここに整理しておきます。
・製造年月日は不要。付ける場合、包装時の年月日であるべきで、販売店での印字は違反。
・消費期限、賞味期限の設定は、定められた保存条件で製造者がその商品の安全性や味を保証する期間を確認した上で、製造者が自主的に付けることができる。
・消費期限、賞味期限の起算日は製造日。ただし、温度帯が変更になる場合は解凍時を起算としてもよい(冷凍保存して解凍して販売する場合)。
・販売店での印字は、冷凍で配達され、解凍して販売する場合、製造者との賞味期限の取り決めおよびそれを売り手が理解して、解凍した日時の記録があれば可能。
・ラベルを張り替える行為は保存方法を変えることにより賞味期限の再設定が科学的、合理的根拠をもって適正かつ客観的に行われた場合に可能ですが、安易に行なうと問題となり注意が必要です。

 消費期限、賞味期限の設定は、製造者が自主的に科学的・合理的な根拠に基づいて行なうことができます。しかし、多くの食品企業は自社で保存試験をせずに業界指導の期限を使っています。業界指導の期限はレバルの低い食品工場に合わせて、安全率を多く見込んだ短い期間となっています。また、消費者は長い期限表示を好まないと思っていますので(実際、どうなんでしょう。意識を変える働きかけが必要と思います)、やはり期間設定は短くなります。

  博多の有名菓子メーカーの社長さんは「自社の商品(饅頭タイプ)はオートメーションで加熱して直ぐに脱酸素剤を封印した包装をしていますので3カ月は持つ」と言っていました。しかし実際には、賞味期限は業界横並びの20日間でした。そこで私は、「保存試験をして、適正な賞味期限を求めて賞味期限を長くしてください」とお願いしました。

 食品産業は、冷蔵、冷凍、缶詰、レトルト、真空包装、脱酸素剤などの技術を使って、食品の寿命をいかにして延ばすかに長年努力してきたという歴史があります。本来なら、努力して商品の寿命を延ばした成果が期限表示の長さに現れるべきなのです。つまり、良く衛生管理された優秀な商品は、期限表示を長く表示してよいはずなのです。

 しかし、多くの食品企業は、自社で科学的に検証していないため、安易に業界横並びの短い期限表示にしています。そのため、ごまかして安易に付け替えを行なってしまうのです。それと、食糧資源的に見て、美味しく安全な食べ物を廃棄することは「企業の傲慢」であり、「社会的ごまかし」にあたるのではないでしょうか。今後、この辺りを消費者とともに考えていくことが必要だと思います。

 では、今後食品製造者はどうすればよいのでしょうか。まず、検査室を併設した品質管理部門を作ることです。そして、品質管理部門を中心に自社の商品の期限表示を見直しをするのです。外部の検査機関を利用して保存試験を行うのもよいでしょう。いずれにしても、科学的・合理的な根拠に基づいた期限を設定することが大切なのです。

 科学的根拠となるバックデータは、細菌検査だけでなく官能検査も重要です。官能検査については、社内でパネラーを決めてロット毎に味覚的テストを実施し、記録を残しておくとともに、商品も保存しておきます。期限日の商品の状態をきちんと確認しておくことは、食品製造者にとっての義務だと思います。加えて、商品の限界日を把握し、定期的に期限設定を見直してください。自社の衛生管理の成果が見えてきます。

 検査室を持っている食品企業はまだ少ないようですが、小さくてもチェック体制の要となる検査室は持つべきです。検査室というと検査器材が数百万、それに専門の検査技師を雇うと考えると、二の足を踏む企業が多いと思います。検査室はその企業に応じたものを作ればよいです。外部に提出する商品検査などは外部の検査機関に委託した方が信頼されます。手洗や清掃後の検証や改善点を見つける検査、工程中のふきとり検査は簡易検査で十分です。ふきとり検査は私がタイの旅行中でも実施できたほどですから、検査キットと、5万円程度の小さな定温器と机があればできます(関連記事参照)

 品質管理部門はラインから外して役員直轄にし、工場全体が分かっている人を責任者とし、ふきとり検査などの実務は現場をよく知っているベテランで探究心のある人が最適です。ある食品工場で品質管理を行なっている私の友人は、各部署をよく知っているベテランの中年女性のパートさんにふき取
り検査をやってもらったところ、検査結果をカラーコピーして現場に見せたり、菌が検出しないような清掃方法や消毒方法を現場と一緒になって工夫・改善したところ、現場の意識もずいぶん変わってきたと話していました。

 ふきとり検査は、見えない細菌を「見える化」して、現場に改善策を考えさせらきっかけになります。この方法は微生物学的ハザード(危害)を見つける近道で、ハザードが見つかれば、あらかじめ対策を取っておくことができます。これこそ、HACCPの原点です。高価な設備を導入するのがHACCPではありません。まず、工場の工程中に潜む目に見えない微生物学的ハザードを見つけて対策をとることがスタートになるのです。
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