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食品企業はどうしたら消費者の信頼を取り戻すことができるか

156 2007年11月19日
食品企業はどうしたら消費者の信頼を取り戻すことができるか
「食の安全・安心」という言葉を政府広報、マスコミで多用されていてよく聞きます。食の安全は科学、食の安心は心の問題ととらえるそうです。「安全・安心」という4文字熟語のせいでイメージによる大きな影響を受ける食の不安が科学的な食の安全を脅かしていると思われています。私は食品衛生監視員として、長年、食中毒事件の行政処分にタッチしていましたので、科学的に白か黒を判断してきました。つまり、「食中毒=食のリスク=食の不安全」と考えて、安心より安全を考えてきました。

 今年の不二家、赤福の不祥事は、健康被害が発生しているわけでなく、表示等「ごまかし」の事実を大きく報道され、消費者に悪い印象を与えたことで「食の安心」が損なわれたことから当該企業は大きなダメージを受けています。 私のマガジン10月21日号「赤福の「巻き直し」と「もち」と「あん」の再利用について」について書いたところ、「衛生指導者として感覚がおかしいのでは?」というメールをいただきました。そこには、西村さんも企業側に立った意見であるという意見が書かれていました。
http://www32.ocn.ne.jp/~abcq/mag1-154.html
 マスコミ報道だけを見ていたらそういう風に見えるのでしょう。しかし、私がマスコミの風潮に迎合してもしかたないでしょう。企業側にたつ違う意見も聞いてください。

 では何故、石屋製菓(株)、(株)赤福が期限表示のごまかしをしたのかを推測してみましょう。私はけっしてこれらの企業を擁護しているわけではありません。表面に出てきた事象について叩くだけでは解決どころか、泥沼に入ると考えたからです。
 それらの企業は期限表示を付け替えても安全性に問題ないと思っています。まだ製品として通用するのです。つまり、最初に付ける期限表示が短かすぎるのです。何故、科学的根拠を持って適正な長い期限を付けておかないのでしょうか。1つの見方として、売れた商品は早く食べていただき十分おいしく食べられる商品でも早めに廃棄させて次の購入を促すという戦略と、消費者は長い期限表示を好まない(これも企業側の営業戦略かもしれません)、消費者は賞味期限の長い商品には、どっさりと「合成保存料」が放り込まれていると思っています。「短期限優良?」の風潮です。新鮮嗜好から判断したのでしょう。
 テレビに出ているあるコメンテーターが「油断していると、アメリカからHACCPという手法を押し付けられてしまい、食品企業は大変になる」という主旨の発言をしてたのを聞きました。あまりの無知さに驚きましたが、これが平均的な日本人の考え方かもしれません。ちなみにアメリカは「水産物をアメリカに輸出するならHACCPを取得しなさい」と10年以上前から実行させてい
ます。自国の食の安全を守るためです。そして、今対米水産HACCPを取得した企業はすばらしい企業に発展しています。
 食品企業がHACCP等の衛生管理や冷凍保存、真空冷却等のシステム、技術を取り入れるのは保存性を高める意味もあります。長い期限表示を好まない (企業戦略を含めて)事は、食品企業が努力している衛生管理手法を否定していることになります。合成保存料で商品の寿命を延ばす方法は消費者から嫌われていますので、今盛んに「無添加」を宣伝しているように、厳しい衛生管理により安全性を確保し、保証期間を延ばしているのです。

 食品表示として製造年月日の併記という動きがあるそうです。期限表示が信用できないから製造年月日で判断しようとなるのでしょう。そうなると、消費者は製造年月日に注目し新鮮さで評価して購入するのでしょう。20年前に戻るのです。1995年頃食品衛生監視員をしていましたので製造年月日の併記でどう変わるかほぼ予想がつきます。

 食品製造者は衛生管理をして品質向上させて、保証期間を延ばすより、手っ取り早い製造日競争に突入していきます。
1「背に腹は変えられぬ」と先付け表示をする悪徳業者が増える。全ての食品で取り締まりはできないし、マスコミもいずれ報道しなくなる。
2 テクニックを使う。冷凍しておいて、出荷前にちょっと手を加えて包装してその日の年月日を付けたり、深夜0時過ぎに包装作業を行う弁当屋がでて
 くる。小分け食品製造業の許可が増える。
3 輸入食品の流通が難しくなり、食品の輸入量が減る。ISO2200やHACCPを取得した外国企業は高度の食品衛生手法が評価されない日本を避けて輸出しなくなる。2流、3流の商品しか輸入されなくなる。
4 冷凍や真空包装、脱酸素剤等の品質を改良して保証期間を延ばす技術を使っても評価されないので、技術革新が止まる。食品のレベルが低下する。
5 製造年月日に対応できる小回りのきく中小企業が中心となりコストが上昇するため、食品価格が上昇する。

 製造年月日表示を併記するよりも、食品企業は消費者の信頼を得るためにきちんと保存試験を行い、適正な期限を付けること。期限の根拠を説明し衛生管理手法、保存技術について説明すること。公的機関は、消費者と食品企業のコニケーションを図る機会を設け、消費者の「短期限優良?」の風潮の間違いについて啓蒙していくことが大事です。
 企業イメージは、従業員の態度、工場の外から見える部分の清潔さ、商品のパッケージおよび表示、企業の誠実さといったことが評価されています。
 この方向に会社をリードできるシステムは食品衛生7Sです。整理、整頓ができて、しつけがしっかりできている会社は工場に足を1歩踏み入れただけでわかります。全社的に「食品衛生7S」を実施すれば、工場が見違えるように綺麗になり職員も活気がでます。来年2月に安全ネットワークから「食品衛生7S Q&A」を出版します。私も参加しています。
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