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HACCPの考えで食中毒を防ぐ

243 2011年7月3日
HACCPの考えで食中毒を防ぐ
食の安全では、健康被害者数の多い病原微生物による食中毒対策が一番重要です。食中毒を防止するには、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考えを取り入れるのが効果的です。HACCPは、施設や設備だけを良くしても出来ません。また、HACCPは必ずしも認定を受けなくても、施設や設備が完全でなくても、HACCPの考えを取り入れて対策すると効果はあがります。
 HACCPは、HA(Hazard Analysis)危害要因分析を行います。過去の食中毒事件の原因を学ぶことが大事です。私が考える食中毒事件の要因は、原材料由来、ノロウイルス関連で従事者由来、環境由来(衛生害虫や使用水、空気環境)があります。この中で日本は生産から消費までのフードチェーンでの安全対策が不足し、原材料由来の食中毒が多く発生していました。
 食の安全を守るのは、安全な原材料を購入し使うことです。何がリスクの高い食品かを知ることです。病原微生物の生存場所、食中毒菌やウイルスの性質からリスクを排除する方法を学びフードチェーンの中で確実に実行できるようにすることです。
 食中毒は人の行う犯罪と違って単純で作為がありませんので同じような原因でたくさん起こしています。大きな食中毒事件では、病原物質で汚染された食品が患者数以上必要ですので、大きくなる要因を探せば分かりやすくなります。汚染物質の侵入経路、汚染箇所、増殖する場所、大量に食品に汚染させる箇所を予測します。固体より液体や粉体の方が攪拌する工程があり、より多く病原物質拡散させてしまいます。
 雪印乳業大阪工場で製造された「雪印低脂肪乳」による食中毒は14,780人の被害者が発生しました。当初工場内の衛生管理に問題ありと考えパイプの汚れや牛乳の再生処理が疑わていました。私は、患者の広がりから考え、大量の低脂肪乳を汚染させることができるのは、原材料じゃないかと考えていました。
 数ヵ月後、原材料の脱脂粉乳に黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン(毒素)が含まれていたのが原因と発表されました。北海道の工場で脱脂粉乳の製造中に3時間の停電があり、30℃~40℃の釜の中で黄色ブドウ球菌が増殖し黄色ブドウ球菌が毒素を産生したものです。停電復帰後加熱されましたので黄色ブドウ球菌は死滅しましたが熱に強い毒素は残りました。当時、エンテロトキシン自体の測定器具は普及してなく、工場で毒素の検査は行われないまま大阪工場に出荷し、大阪工場で低脂肪乳の製造されました。同社は過去にも同様な原因による脱脂粉乳食中毒事件を起こしており、危害分析を徹底して教育を行っていれば停電による黄色ブドウ球菌によるエンテロトキシン産生のリスクに気がついたはずです。異常があったら、廃棄するか、動物試験や試飲を行えば気がついたはずです。
 前号に書いた堺市のO157事件は、かい割れ大根を育てるための水に何らかの原因で菌が汚染すると、栄養、水分と菌が増える条件が揃っているので、多くのかい割れ大根が菌に汚染する事になったのでしょう。裁判では原因が確定しませんでしたが、このケースの食中毒を起こすのはかい割れ大根の生食しかないと私は考えています。食中毒調査で原因の推定が十分でなく、調査が遅れたため原因が確定できなかったのでしょう。当時、福岡市ではかい割れ大根等の水耕野菜は、行政の行った細菌検査結果から一般生菌数が高い傾向があり、学校給食にはふさわしくないと使用していせんでした。清浄野菜という名前に惑わされる事なく、給食用食材について事前に検査を行っていれば、堺市の食中毒は防げたかもしれません。
 同様の事件は、アメリカでも起こっていましたし。ヨーロッパで腸管出血性大腸菌O104の事件もモヤシなどのスプラウト(新芽野菜)が感染源となった可能性が高いとしています
 ゆっけ等の生牛肉や鶏肉の生食は、食中毒のリスクが非常に高く、「生食用牛肉」「生食用鶏肉」はありません。一度に多量に汚染する事はなく、単発事例が多く、全国的に腸管出血性大腸菌による食中毒が感染が発生していたのに大きな話題にならなかったのです。原材料由来の食中毒は規模を問わず多く発生しています。
 HACCPを実施しするにはPRP(前提条件プログラム)の一般的衛生管理をきちんと行う必要があります。一般的衛生管理で製造環境をきれいにすることにより、異物(ゴミ、細菌、ウイルス、カビ、虫)が少なくなります。この一般的衛生管理を行うのに食品衛生7Sが役に立ちます。
そして、食品工程中で危害のとどめを刺す所がHACCPのCCP(Critical Control Point)です。重要管理点と訳す事で誤解が生じ、CCPさえ実効すれば良いと思われてしまいましたが、PRPの一般的衛生管理という土台の上でとどめを刺すのがCCPです。加熱食品では、加熱調理がCCPとなります。非加熱食品はとどめを刺すCCPがありませんのでPRPのみで衛生管理を行います。
しかし、CCPの加熱工程に続く放冷、調理、盛付け、保管工程で汚染すれば危険ですので、ISO22000のHACCPではこの部分をOPRP(オペレーション前提プログラム)として重要視しています。
 今年3月北海道の学校給食で起きたサルモネラ菌は、ブロッコリーサラダから検出されました。サラダを混ぜるために使った釜のシャフト部分からも、サルモネラ菌が検出され「洗浄不足で菌が残っていた可能性が高い」と発表しました。私の推定は、食材のブロッコリーとニンジンは加熱されています。十分に放冷されずに洗浄・消毒不足の釜でサラダを和えて汚染し、残熱でサルモネラ菌が繁殖したものと推定されます。この施設は学校給食共同調理所として、大量に学校給食を調理していたようです。これだけの発症者を出すにはかなりのサルモネラ菌の増殖が必要です。放冷ー混ぜるー保管ー配送の一連の時間と温度管理の不備が最大の原因じゃなかったのと推定します
加熱後の食材を冷却する「真空冷却器」や「ブラストチラー」といった機材を持っていたかどうかわかりませんが、大量調理の場合食材の熱を取る機材や放冷する方法をきちんとすることが重要です。
 WHOの発表した"Five Keys to Safer Food Manual"は行動指針の標語としては優れています。
1「清潔に保つ」、
2「生の食品と加熱済みの食品を分ける」
3「よく加熱する」
4「安全な温度に保つ」
5「安全な水と原材料を使う」です。
http://www.niph.go.jp/soshiki/ekigaku/Five%20keys%20manual%20Japanese.pdf

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