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食中毒をどうしたら防げるか

372 2016年11月20日
食中毒をどうしたら防げるか
 平成9年私が勤務していた保健所で集中的に食中毒が発生しました。ホテル、社員食堂、菓子製造業と卵を多く使う所です。まさか、この立派な店が、「なぜ」と思いました。調査、検査をして原因追及しますが、病因物質、原因施設までは分かりますが、原因食や汚染原因は確定しません。時間が経過しており、患者さんが食べた同じ物が無い、ストックされている卵を検査しても菌が出ない。そこから先に進まない。施設を消毒して、衛生教育をして営業再開となります。しかし、同じような食中毒が又起こります。
 起こった食中毒を調査、検査しただけでは、食中毒を防げない。真の原因までたどりついていない。遡り調査でも証拠がない。養鶏場まで行きつかない。真の原因が卵だとしても、これを全て安全にする事はできない。食中毒の調査、検査は必要ですが、それだけでは、食中毒を防ぐためには限界がある。
 そこで、「この食中毒をどうしたら起こすことができるか」を考えてみました。サルモネラ・エンティリテディス菌による患者80人の食中毒事件を考えます。卵の外側は消毒されています。
インエッグは5,000個に1個で、新鮮は卵は菌数は少ないと言われています。1人が1個づつ食べたのでは80人の食中毒は発生しません。
 1 まとめ割り、80人分以上の卵を1つの容器に入れる 
2 その容器に汚染された卵が混じる
3 汚染の進んだ卵が入るか、その容器中で増殖する
4 未加熱の卵料理であること。または、その卵から器具、手指で2次汚染をする。
この規模の食中毒を起こすには以上のような条件が揃う事が必要となります。
この条件を見ると、食中毒を防ぐのは簡単です。新鮮は卵を使うことです。卵の取り扱いに注意する。加熱する。まとめ割をしない。2次汚染を防ぐこと。それに従事者の健康チェックを加えることです。
このように、「この食中毒をどうしたら起こすことができるか」を考え感染経路を逆からみていくと、危害要因とその危害をあらかじめ防止する方法が見えてきます。
ノロウイルス→人のお腹→便→トイレ→手指→食べ物(2次汚染)→
                →下水道→河川→カキ・2枚貝→生食→
腸炎ビブリオ→魚介類→生食→   食べ物(2次汚染)→
黄色ブドウ球菌→手の傷・鼻腔→食べ物(2次汚染)→
カンピロバクター→鶏の腸→処理場→鶏肉→鶏刺→  食べ物(2次汚染)→
この汚染経路の中で危害を防止する方法を見つけて実行することです。このように食中毒を予防する理屈を知れば衛生管理のポイントは理解できます。
 
(1)なぜ和え物・サラダに注意が必要なのか
  付き出し、付け合わせ等は1日分まとめて作り、食べる迄に時間のかかる食品である。料理店やホテルの場合、経験の少ない若い者が作るケースがあり、食品衛生の知識が不足していることがある。
  調理段階で加熱されても、直接手で触れて2次汚染の危険がある。

(2)和え物・サラダによる食中毒
  カイワレによるO157食中毒事件。栃木県の老人施設のO157食中毒事件は香味和えでしたし、昨年の福岡市の保育園はキュウリの浅漬けでした。

(3)食中毒予防のポイント
 ・調理の前には必ず手をよ<洗うこと。
 ・特に、手に傷などがある場合は、素手で調理をしないようにすること。
 ・まな板、包丁などは、生野菜専用のものを用意し、使用後は洗浄した後、熱湯で消毒すること。
 ・野菜は流水で洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム、食酢、ブランチングなどで除菌すること。
 ・サラダに肉や魚介類を使用する場合は、十分加熱したものを用いること。
 ・ただし、十分放冷してから野菜と混ぜること。
 ・調製後のサラダは、室温放置せず、冷蔵庫で保存すること。この時も、ラッブをするなど、他の食品からの汚染を受けないようすること。
 ・ポテトサラダ、マカロニサラダは、放冷を素早くすること
 ・ソース、ドレッシングの自家製は、原材料(卵等)の選定と冷蔵保管を守る。既成品は封を切り使い始めた日を記録し、何時まで使うか決めておくこと。このような小物が食中毒の原因になることが多い。
 ・浅漬けなどは塩分濃度が腸炎ビブリオの増殖に適しているため、魚を切った後のまな板等に注意が必要。

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シガテラ毒素食中毒の製造物責任

371 2016年11月6日
シガテラ毒素食中毒の製造物責任
原材料の安全性を確認しないで(知らないで)起こしたある食中毒事件での判例を紹介します。食品は、その性質上、無条件の安全性が求められるので、食材が菌やウイルスで汚染されていて、食中毒を起こしても調理、加工すれば責任を問われることになります。起こしたあとに、原材料が汚染されていたからだと言っても遅いのです。リスクの高い食材は使用する側が安全性を確認していく事、原材料の選び方、仕入れのチェックが大事です。

シガテラ毒素食中毒の製造物責任について(判例)
イシガキダイ料理によるシガテラ毒素食中毒に罹って損害を被ったとして,製造物責任(製
造物責任法3条)又は瑕疵担保責任(民法634条2項)に基づき損害賠償を求めた事案の判例で損害賠償を認める判決です。
・被告料亭側の言い分
1「加工」にいわゆる「調理」は含まれない。
・判決
1「加工」とは,原材料の本質はそのままにしつつも、人の手を加えることで新しい属性ないし価値を付加することをいうものと解するべき。これを食品にあてはめて考えるなら、原材料に加熱,味付けなどを行ってこれに新しい属性ないし価値を付加したといえるほどに人の手が加えられていれば、これはもう「加工」といえる。
そして、食品は、その性質上、無条件の安全性が求められるので、およそ食品に食中毒の原因となる毒素が含まれていれば,当該食品は通常有すべき安全性を欠いているものというべき(=製造物責任を負う)
・被告料亭側の言い分
2 シガテラ毒素などというマイナーな食中毒まで製造物責任の対象にするのは損害の公平な分担を根本原理とする不法行為賠償の原則からみて不合理。
・判決
2 保険や共済制度が整備されているので、この点、被害者がその損害を補償されないとしたら、加害者はなんかあったときの備えができているのに、被害者が泣き寝入りでは、かえって不公平。
・被告料亭側の言い分
3 当時の識見では、この食中毒を認識することは不可能だった(いわゆる「開発危険の抗弁」)
・判決
3 本人が知っているかどうかを基準にしたら、無過失責任を謳った製造物責任法の趣旨が台無しになる。その当時の「世界最高の科学水準」をもってしてもやっぱりわからんかったとまで言えないと、「開発危険の抗弁」は使えない。シガテラ毒素は、昭和55年の「医学の歩み」(112-13)に載っかってるし、千葉県内でも昭和42年に食中毒例があるし、全国食中毒事件録にも過去載っかってるわけで、全く分からなかったと言う主張は認められない。

・更におっかないことに、シガテラ毒素の含有魚かどうかは判別が難しく、予防法もろくにないから、責任とれないという料亭の主張も、製造物責任法は、製造物に安全性が欠けてれば責任取れって法律で、開発危険の抗弁だけがそれをちゃらにできると明記してあるから、判別が難しかろうが、予防法がなかろうが、損害賠償責任は当然発生する。

(1)ふぐ中毒について
 「河豚は食いたし、命は惜しし」とよく言われます。毎年河豚(ふぐ)を 食べて、中毒をおこして死亡する人が後を絶ちません。
 ふぐ中毒はふぐの肝臓や卵巣に含まれているテトロドトキシンという毒素が体内に入ることによって起こります。テトロドトキシンは神経毒で、運動神経・知覚神経の抹消を麻痺させ、その毒は強力で、青酸カリの数百倍に相当するのだそうです。中毒の症状としては、くちびる・舌・手足の知覚麻痺、さらに激しくなると全身の筋肉が麻痺して、呼吸麻痺により死亡するにいたるのだそうです。

(2)ふぐによる食中毒事例
 1 飲食店でヒガンフグの肝臓の塩焼きを食べて。
 2 行商人から丸体のコモンフグを購入し,肝臓等を除去せず味噌汁等に調理して。
 3 飲食店でコモンフグの皮の湯引きと刺身を食べて。
4 船釣りで釣ったショウサイフグを,刺身と肝臓の煮付けにして。
 5 釣りに行ってコモンフグを自分で調理し刺身として食べて。内臓の処理が悪く白身を汚染。
 6 魚屋のゴミ箱からフグの肝を拾ってきて食べて。

(3)ふぐ食中毒予防ポイント。
 ・フグは「フグ処理師」の免許を持った人しか調理できない。なお、東京都では条例によって「フグ調理師」だけにその取り扱いをきめるとともに、取り扱う施設に認証書を交付している。
 ・フグは種類によって“食べられる部位”が決まっている。
 ・季節によって毒力に著しい変化がある。
 ・フグには個体差がある。
 ・フグの残滓の保管に注意すること。
 ・ふぐ中毒と思ったら救急車で、呼吸麻痺を防ぐこと。

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