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放冷と盛り付け

366 2016年8月21日
放冷と盛り付け
食品の品質要求レベルは、加熱調理してから保管、配送して喫食までの時間、保存温度、喫食対象者(病人、高齢者、幼児等)により異なり、衛生管理、調理法もそれに合わせて選ぶ必要があります。

放冷と盛り付け工程は食品の品質を決めるのに重要な工程です。食品中の細菌を増やさないようにするには、10℃以下または65℃以上で管理する。
・冷却機や空調設備を設置する。
・真空冷却器を利用するか、またはより小さな容器に衛生的に小分けして30分以内に
中心温度を20℃付近まで下げる(扇風機で風冷すると空気中の塵埃や空中浮遊菌を吹き付けることになります。)
・放冷時間に留意し中心温度を速やかに下げるよう管理する。
* 鍋の直径が倍になると中心温度が下がる時間は4倍になります。

盛りつけの作業場の温度管理
作業場の温度管理は食品を衛生的に取り扱ううえで大きく影響されます。気温が高くなると注意が散漫になります。
・2次汚染を防ぐため、他の作業の影響を受けない場所で行う
・調理従事者が衛生的な盛りつけ作業をおこなう
・熱い食品は十分に放冷してから盛りつける
・必要に応じて清潔な使い捨て手袋を使用する。

*袋を過信してはいけません。手袋をしたまま他の作業を行ったり、着衣、マスク等に触ったりすることで手袋が細菌を媒介することになります。また、長時間の着用は手袋の中でかいた汗が食品を汚染するなど、思わぬ事故をひき起こしかねません。
手袋を使用する場合はこまめに取り替えましょう。

なぜ注意が必要なのか
食品を加熱するということは、菌を殺すことです。それ以降で細菌が付いて増えてしまうと危険です。
 放冷、盛り付けの清潔工程が大変重要となります。細菌は20~40℃でもっとも増殖しやすくなりますので、細菌が増殖しない温度までできるだけ早く下げる必要があり
 ます。特に夏場気温が高いので、油断しないようにしましょう。

放冷のポイント
【小分けして冷却】
 小さい容器に衛生的に小分けして30分以内に中心温度を20℃付近まで冷却する。小分けして冷却したほうが効果的にできます。
【送風して冷却】
 強制的に扇風機などで風をあてて冷却する。空気がきれいであることが
 大事です。窓や扉が開いていたりすると、外から細菌を呼び込む可能性も
 あります。
【流水での冷却】
  野菜をブランチングしたもの、湯がいたパスタなどは水で冷却できま
 すが、その使用水が清潔であるかどうかを確認する必要があります。

盛り付けのポイント
【作業場の温度管理設備】
  作業場の室温が高くなると注意が散漫になったり、菌が増殖します。清
 潔な環境で、他の作業の影響を受けない場所で、室温を低くすること。
【手作業の注意】
  不適切な手洗いのまま、素手で調理後の食品を扱うことは、食中毒菌を
  付着させる原因となります。必要に応じて清潔な使い捨て手袋等を使用
  すること。

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野菜による食中毒

365 2016年8月7日
野菜による食中毒
 食中毒というと、まず頭に浮かぶのが肉や魚などですが、実際には野菜を原因食材とする事件もかなり起こっています。生野菜をサラダとして食べる習慣があるため、その食中毒リスクは無視できません。生食野菜は加熱殺菌を行っていない以上、ゼロリスクを要求するのは不可能と考えるべきです。
 米国でも「健康に配慮して」生野菜の摂取量が増えたためか、野菜類に起因する感染症が増加しています。葉もの野菜の中ではレタスが比較的、微生物汚染が激しいことが知られています。
 野菜の中でも「もやし」や「かいわれ」のような水耕野菜は、路地野菜と比較して大腸菌群数や一般生菌数が高く、また汚染指標菌である大腸菌の検出率も高い。また。コンビニやスーパーで、消費を伸ばしているカット野菜や野菜サラダも、製造過程の微生物制御の難しさを示す報告があります。以前、私がいた検査センターでの食品の細菌検査結果でも、かいわれ、カット野菜、キュウリは細菌の検出率も高く、消毒も難しいようです。
生食用野菜及び果実は赤痢菌・サルモネラ・病原大腸菌等、種々の病原菌やウイルスを媒介することが知られています。これらは農場の水源、あるいは施肥された未完熟堆肥に混入した、家畜由来の病原菌などが、農産物に移行したものと考えられている。このために「収穫前」の衛生的な生産管理が、収穫後と同様に重要です。
 野菜を原因食材とする食中毒事件のかなりの部分は、保管・運搬・調理の過程で、肉や魚から菌が野菜に移った2次汚染によるものと考えられています。このようなケースを防ぐには、運搬・保存の際に肉や魚の汁が漏れないように注意すること、また調理の際にはまな板や包丁などを使い分けるか、あるいは調理器具をきちんと洗った後に野菜の調理に移ることが必要です。
 ここ最近、野菜の「漬け物」で食中毒が起こるケースが相次いでいます。伝統的な漬け物については、比較的高い塩濃度と、乳酸発酵によって生じた酸や抗菌物質によって、長い漬け込み期間中に、混入した食中毒菌の死滅が起きると考えられてきました。しかしこのような事件は、どれも「浅漬け」で起こっています。いずれの事件も、製品まで原因が遡ることは可能でも、そこから上流の原料を特定し、汚染原因を解明することには成功していません。よってこれらの事件の原因となった微生物が、製造・調理の現場で混入したものか、それ以前の原料に付着していたものか、明らかにすることは極めて難しいようです。
 また、加熱しているから大丈夫とも言えません。野菜のゆで汁に細菌を植える研究によると、野菜のゆで汁は細菌の増殖がすごく早いということがわかりました。つまり、一端加熱した野菜は生野菜に比べて細菌が増殖しやすい状態になるということです。ほうれん草のおひたしが味や臭いがおかしいという苦情はよくあります。

1)なぜ生野菜に注意が必要なのか
  腸管出血性大腸菌O157は牛の腸管にいます。そのため、生食の牛レバ刺し、牛のたたきが原因となることが多いのですが、最近、野菜が原因となるケースが増えてきています。
 O157の感染事例で原因食品と推定されたものは、井戸水、牛レバ刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ等の牛肉及び牛肉加工食品、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、白菜漬け、キュウリ等の野菜があります。

(2)野菜類による食中毒
 2002年、栃木県の病院、老人保健施設で発生した腸管出血性大腸菌O157による食中毒は昼食の「香味あえ」が原因食で、材料はホウレンソウ、蒸しささみ、刻みネギ、ショウガ汁などした。
 また、福岡市の保育園で発生した病原性大腸菌O15食中毒は給食の「キュウリの浅漬け」が原因食品でした。
 サルモネラ、キャンピロバクターの食中毒では、2次汚染で生野菜、野菜の加工品が原因食品と推定されるケースが多く見られます。

(3)食中毒予防のポイント
 ・表示、特に取り扱いの注意書きは良く確認して、新鮮な物を購入する。
 ・購入した野菜は、汚染を受けないように清潔なビニール袋などに入れて運ぶ。
 ・汚れや水濡れを起こし易い場所には野菜を置かない。
 ・野菜と肉や魚などが接触したり、肉汁等がかからないようにする。
 ・包装されている野菜やカット野菜もよく洗う。
 ・ブロッコリーやカリフラワーなどの形が複雑なものは、熱湯でゆがく。
 ・レタスなどの葉菜類は、一枚ずつはがして流水で十分に洗う。
 ・きゅうりやトマト、りんごなどの果実もよく洗い、皮をむいて食べる。
 ・とくに、病院、保育園、老人施設では、次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤で消毒したり、キュウリなどは、熱湯によるブランティング(30秒~1分熱湯につけ直ちに冷水で冷却)を行うと効果的です。
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